余裕のないロック様が新鮮! 主人公家族の有能っぷりが最高にアツい『スカイスクレイパー』

『スカイスクレイパー 』家族が有能すぎ?

未だかつてないほど有能な主人公家族の活躍にも注目!

 ドウェイン・ジョンソン映画は、つい主役の彼に目が行きがちになってしまう。彼の存在感が有り余っているからだ。しかし、本作はその点でも彼意外のキャラクター、特にその家族が最強すぎて魅力的である。

 ウィルがセキュリティ監査をするために、パールの98階に移り住んだソーヤー家。ウィルと美しい妻と、可愛い女の子と男の子の4人家族だ。その日はウィルが仕事の間、母親はパンダを見せてやろうと子供たちを連れ出した。その間に犯罪組織が侵入し、発火薬剤を同階に撒き散らす。本来なら無人階であり、犠牲者を出すこともなかったのに、なんと子供が気分を悪くしたせいで彼らが帰宅してしまう。

 これによって火事に巻き込まれたウィルの家族だが、母親はすぐに異変を察知した。そして子供たちにすぐ濡れたタオルを用意するように指示する。そう、彼女も実は只者ではない。なんと元海軍軍医という強キャラで、ウィルが爆破に巻き込まれ大怪我を負った時の主治医でもある。そんな彼女だからこそ、的確な状況判断ができる。そして子供たちも、まだ幼いのにも関わらずパニックになったり、泣きべそをかいたりしない。どこかに闇雲に走り出したりもせず、しっかり母親の指示を聞いて従う冷静さを兼ね備えていて素晴らしい。達観したお姉ちゃん、喘息持ちなのにその場で瞬時に最良の判断を下すことができる弟。そして犯罪者相手に近接攻撃もできるお母さん。まるで『インクレディブル・ファミリー』みたいな好感度爆上がり一家の活躍も、本作の大きな魅力である。

 本作が公開された2018年は、ドウェイン・ジョンソン主演作品が『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』、『ランペイジ 巨獣大乱闘』、そして本作と立て続けに公開された。当時は食傷気味とも言われていたが、本作のようにギリギリのところで踏ん張る、苦しげなドウェイン・ジョンソンは新鮮そのもの。果たして主人公は、無事に家族を救出することができるのか。テレビの前でも存分に味わえる、その緊迫感を体験してほしい。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。最近のマイブームは『この恋あたためますか』のマコッちゃん。InstagramTwitter

■放送情報
『スカイスクレイパー』
フジテレビ系にて、12月19日(土)21:00〜23:10放送
※地上波初放送・本編ノーカット
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
出演:ドウェイン・ジョンソン、ネーヴ・キャンベル、パブロ・シュレイバー、チン・ハン
(c)Universal Pictures

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