綾野剛×北川景子が築き上げた“完全シンクロ”な関係性 同期のような居心地の良さを明かす

 綾野剛と北川景子が共演する映画『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』が現在公開中だ。

 130人もの患者を安楽死させた実在の医師をモデルに描かれた、中山七里のクライム・サスペンス小説を実写映画化。連続猟奇殺人犯ドクター・デスは、ある闇サイトで依頼を受け、人を安楽死させる。しかし、被害者遺族はドクター・デスに感謝し、嘘の証言で守る。ドクター・デスは猟奇殺人犯なのか、救いの神なのか。犬養と高千穂は、この連続猟奇殺人犯に挑む。

 主人公の警視庁捜査一課の破天荒な直感型の刑事・犬養隼人役で綾野が主演を務め、バディを組む冷静沈着な分析型の刑事・高千穂明日香を北川が演じる。今回、リアルサウンド映画部では綾野と北川にインタビューを行い、撮影を振り返ってもらった。

犬養&高千穂は“完全シンクロコンビ”

ーー綾野さんと北川さんが犬養と高千穂のコンビを作り上げていく過程からお伺いしたいなと。事前にやり取りなどはされましたか?

北川景子(以下、北川):今回確かに「犬養・高千穂コンビみたいなものでつくりますよ」ということを言われましたけど、じゃあ「私たちコンビというかバディにしていきませんか」といった話し合いは1回もありませんでしたね。

綾野剛(以下、綾野):信頼や安心感、お互いをリスペクトしてるという共通の認識ができていた。それこそがバディとして必要なモノ。言葉を尽くして「こうしていこう」ということは一切ありませんでした。バディというと、“凸凹コンビ”がセオリーですが、僕はそうは思ってなくて、完全シンクロコンビだと思ってるんです。犬養に足りないものを高千穂は全て持っているし、その逆もあるので、2人はしっかりとシンクロしている。それは現場においても近い感覚でした。単純にいうと、景子ちゃんといるとすごく楽なんです。年齢は違うけど同期のような。実はデビューした年も同じで。2003年だよね?

北川:うん。

綾野:僕はいままでの人生の中で、同期というものを感じて生きてきたことがなかったんです。でも『パンク侍、斬られて候』で景子ちゃんと初めてご一緒したときに、どこか似ているところもあって、「なんか心地がいい」と思って。「あれ、今こういうことに困ってるんじゃないかな」とか、「こういうことが今楽しいのかな」ということが想像できる相手ってやはり大事なんですよね。北川景子という人と現場にいると、限りなく本来の自分で、フラットでいられるんです。

北川:剛さんも百戦錬磨の人だし、確かに同期という意味でも、同じ2003年デビューで、特撮からデビューして……と歩んできた道のりも近いものがあったりします。なので、おそらく自分が出ていない作品でも、観てきたドラマや映画もたぶん被っていたりするのかなと。感じてきたものや見てきた景色が近かったりするから、作品を作る上でのアプローチというか、お芝居の組み立て方は近いところがあると思います。もし全然外れてたら恥ずかしいんだけど、でもたぶん同じようなことを考えてる気がしています。

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