『35歳の少女』第4話で明かされた2つの秘密 ヒロインが周囲を救う遊川脚本の真骨頂へ

『35歳の少女』第4話で明かされた2つの秘密

 柴咲コウが主演を務めるドラマ『35歳の少女』(日本テレビ系)が10月31日に第4話を迎えた。

 第4話では、今までベールに包まれていた2つの秘密が明らかになる。1つはドラマのキーアイコンとしても使用され、多恵(鈴木保奈美)が鼻歌で歌い続けている童謡「とんぼのめがね」に込められた思いだ。

 『35歳の少女』は、決まって25年前の若かりし多恵と10歳の望美(鎌田英怜奈/柴咲コウ)の団らんから始まる。「望美の思い出がママの宝物」と1日の終わりに日記をつける多恵。日記の表紙にとんぼのイラストを見つけた望美に多恵は「とんぼってあることの象徴なの」と返す。とんぼは前にしか進めないことから、勝利や逃げないことのシンボルとされており、「これから家族にどんなにつらいことや苦しいことがあっても絶対に諦めないで頑張ろう」と多恵は笑顔で家族に誓う。しかし、無常にも望美が事故に遭い、家族は散り散りに。

 事故から5年が経ったある日、望美を看病する多恵は、望美が元気であれば今頃中学校に行き、反抗期を迎えていたということに気づく。すると、身体中の力が一気に抜け、いっそのこと娘と一緒に死のうかと考えた。その時、窓際に止まったのが一匹のとんぼ。それを見て多恵は「諦めちゃだめだ」と踏みとどまった。これまでも多恵はどんなに酷い仕打ちを受け独りになっても、必ず「とんぼのめがね」を口ずさみ前に進んできた。諦めずに生きた未来で見ることができたのが、望美の待ち焦がれた反抗期。「ママの言うことなすこと、全部むかつく!」と駄々をこねる望美に、涙する多恵という構図は『35歳の少女』でしか成立しないシーンだ。望美の「少しだけママが小さく見えた」というナレーションの通りに、つよがりを見せていた多恵の胸中も少しづつオープンになってきている。

 そして、2つ目は結人(坂口健太郎)が小学校の教師を辞めた理由だ。結人が初めて担任になったクラスにいたのが、一人学力が劣っていた生徒。次第に授業が進まなくなり、だんだんとクラスで浮く存在に。かまってやることもできなかった結人に告げられたのは、その生徒がマンションから飛び降りたという悲痛な知らせだった。「彼を救ってやれなかった」「本当はいじめがあるって分かってたくせに何もせずに逃げた」と自身を責め涙を流す結人。彼に手を差し伸べたのは一緒に涙を流し、寄り添うことのできる望美。早く大人になって結人を救えるようにと、望美は「待っててね、結人くん」と誓い、第4話は幕を閉じる。

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