『35歳の少女』柴咲コウの“10歳の演技”から目が離せない 『オレンジデイズ』を想起させる瞬間も

 日本テレビ系連続ドラマ『35歳の少女』で、5年ぶりに民放連続ドラマ主演を務める柴咲コウ。25年ぶりに目覚めた“35歳の少女”という難役での熱演に様々な声が飛び交っている。そこで今回、改めて『35歳の少女』第1話での演技も踏まえながら、柴咲コウの演技力を掘り下げてみたい。

 『35歳の少女』は、『家政婦のミタ』『同期のサクラ』(日本テレビ系)などで知られる遊川和彦のオリジナル脚本作。柴咲と遊川は、『○○妻』(日本テレビ系)以来5年ぶりのタッグとなる。1995年、不慮の事故で突然長い眠りについた10歳の少女・時岡望美(柴咲コウ/10歳時:鎌田英怜奈)が、心は10歳で身体は35歳の状態で目覚めることから物語は動き出す。10歳当時の家族はバラバラで、初恋の少年・広瀬結人(坂口健太郎)はある事故をきっかけに夢をあきらめた大人になっているなど、自分だけでなく、全てが変わったしまった世界で、当惑いながらも生きる望美の成長を描く。

 柴咲のイメージと言えば、「クール」と答える人も多いのではないだろうか。『Dr.コトー診療所』(フジテレビ系)では、周りが何を言おうとコトー先生(吉岡秀隆)を信じ献身的に支える看護師役や、NHK大河ドラマで主演を務めた『おんな城主 直虎』での戦国時代の女城主役など、カッコいい女性の役が似合う女優だが、時折見せる屈託のなさがなによりの柴咲の魅力。クールさ・真面目さの奥底にある人間味を表現する上手さが、柴咲が長年第一線で活躍できた理由だろう。

 「体は35歳、心は10歳」という難役を柴咲がどう演じるかに注目が集まった第1話。泣きじゃくる演技が、本当の10歳みたいだと話題となっていたが、演技で印象的だったのはそこだけではない。目覚めから泣くまでに至る10歳らしい繊細な心の動きの演技が光った回となった。変に驚いたり、ショックを受けたりするのではなく、ことの次第がまだ飲み込めていない表情を見せたり、外の世界に興味津々で目を動かして状況を見回したりといった細かい仕草が、作品の設定をよりリアリスティックなものにしていた。