りょう、『DIVER-特殊潜入班-』で物語に重厚感を与える 最終話に向け散りばめられた謎の数々

 『DIVER-特殊潜入班-』(カンテレ・フジテレビ系)もついに最終話まで残すところあと1話となった。第4話では、数週間後に日米安全保障会議を控えた中、神戸市内で爆発事件が発生。テロの可能性に思い当たった阿久津(りょう)だったが、大事な国際会議を前に警察の威信を守りたい警視庁の上層部は隠蔽を指示し、事なきを得ようとする。

 この時、阿久津の脳内には元同僚の岡本正秀(寺脇康文)の姿がよぎる。密売組織に乗り込んだ岡本に銃口を向けているのは、なんと黒沢兵悟(福士蒼汰)だ。状況的におそらく潜入捜査官として組織側に潜り込んでいた兵悟に、ボスから殺害指示が出たのだと推察される。過去の回想シーンでの阿久津は今とは全く様子が違って、涙を流しまだまだ青臭さが残っていることからも、この事件が彼女の心に大きな影を落とし、「正義感」に多大なる影響をもたらしたのは間違いなさそうだ。

 りょうといえば、長身のクールビューティー、切れ長の目が印象的でミステリアス、強くて凛とした佇まいが印象の女優だ。ただ、近年は彼女の持つ演技の幅広さから、見た目とのギャップがさらにやみつきになるようなコミカルな役どころを演じることの方が多かったように見受けられる。前クールの『MIU404』(TBS系)では、コスプレイヤー弁護士役でヘビメタバンドのパフォーマンス姿を披露するという、キャラが大渋滞のインパクト大なゲスト出演を果たし話題になっていた。彼女自身も語っている通り、本作の阿久津のようなクールな役どころは意外に久々だったそうで、改めてこの誰の素性もはっきりとは明かされていないD班内において、りょうの“何を考えているのか全く表情が読めない”ハンサム顔が加わることで、物語の謎はより一層深まり重厚感を帯びさせる。

 また、岡本に発砲したことは兵悟の中でも大きなトラウマになっているようだ。揉め合うフェンス越し、兵悟の耳元で岡本が囁いた言葉は何だったのか。明らかに視覚を狙って、兵悟だけに何か伝え託していたように思える。

 冒頭の爆発事件の裏に、とある貿易会社による危険な化学物質の不正輸入の動きがあることに行きついたD班は、佐根村(野村周平)と兵悟で危険物質を安全な倉庫に移動させ保管しようとする。ただ、この計画が警視庁にリークされ、運送途中の兵悟は逮捕されてしまうのだ。

関連記事