『半沢直樹』生放送で明かされた“攻めの演出” 原作からの変更点で予想する今後の展開
「生放送しかないわね~!」(黒崎)、「そうか! その手があったか!!」(半沢)。
『生放送!!半沢直樹の恩返し』が9月6日21時からTBS系で放送され、俳優の堺雅人、香川照之、及川光博、片岡愛之助、児嶋一哉(アンジャッシュ)が出演した。これは、『半沢直樹』(TBS系)第8話の放送が感染症予防の影響で延期されたことにともない、急きょ企画されたもの。TBS緑山スタジオからの生放送では、冒頭のスペシャルムービーに続いて、キャスト自らが『半沢直樹』の舞台裏を解説。話題になったシーンや撮影の裏側が明かされるなど、ファンにとって願ってもないプレゼントとなった。
撮影ではテスト段階からカメラを回し、アドリブを重ねる中で本番テイクを採用。半沢と大和田が顔を合わせる大階段のシーンで、大和田の「お・し・ま・いDEATH!」は香川の発案によるものだった。香川によると、土下座を食らった大和田は「人間として何かの細胞が壊れている」。その大和田が宿敵に放つ第一声として、「DEATH」という言葉が撮影当日に浮かんだとのこと。ただし「1回目から言うのは頃合いがまだよろしくない」ということで、3回目のテイクで初めて披露した。渾身のアドリブを浴びた堺は笑いを堪えるのに必死で、カットがかかると思わずその場に崩れ落ちるほどだった。「試練」と呼ぶアドリブ合戦を、堺は「ひどい目に遭いました」と笑顔で振り返った。
第7話の「おーねーがーいーしーまぁーーす!」(半沢)や、第6話の「沈ヴォッツ!」(大和田)は堺のアイデア。半沢と大和田が曾根崎(佃典彦)を問い詰める第7話のシーンは歌舞伎の「繰り上げ」に着想を得たもので、台本で大和田一人のセリフを現場で相談し変更。堺と香川の演技プランが完全一致していたことも明かされた。
視聴者からの質問では、渡真利を演じる及川に「情報収集しすぎて本業は大丈夫か?」と心配の声も。及川は「半沢にしか見えていないという都市伝説がある」と冗談めかしつつ、「渡真利がいなかったら、前作の第3話で詰んでます」と存在感をアピールした。また、黒崎を演じる片岡は、半沢を「直樹」と呼ぶようになった理由について、「好きなんですよね。愛がある」と告白。さらに、白井(江口のりこ)の秘書・笠松役の児嶋に、演出の福澤克雄監督が「“良いエンジン”を持っている」と俳優としての評価を伝える一幕もあった。
「今の役以外で誰を演じたいか?」という問いに、「大和田」(堺)、「黒崎」(及川)、「頭取」(香川)、「渡真利」(片岡)と続けて、最後に児嶋が「半沢!」と答えて笑いが起きるなど、和気あいあいとした雰囲気の中、生放送は終了した。