“不動のヒロイン”新垣結衣、1年10カ月ぶりドラマ出演が主演じゃないワケ

 『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)、『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)と数々の大ヒットドラマに出演し、そのすべてでヒロイン役を演じてきた新垣結衣。胸を締め付けるようなラブストーリーでも痛快なコメディでも、少女のような可憐さとまっすぐな意志の強さを併せ持った存在感は、常に観る者を魅了してきた。デビューから間もなく20年を迎えようとしている今も、10代の頃とほとんど変わらない透明感を放ち、「好きな女優ランキング」ともなれば常に上位をキープ。次々と新たなスターが生まれるエンタメ界において、その立ち位置を確固たるものにしている。間違いなく、誰もが認める国民的女優のひとりだろう。

 加えて最近の新垣結衣は、どこか次元を超越したような不思議な空気感をまとい始めたように感じる。メディアやバラエティに登場する機会も少なく、「映える生活を送っていない」という理由でSNSをしていないなど、多くの芸能人が今や当たり前にしているPR活動から遠ざかっている面も影響しているとは思うが、それでも年齢を感じさせないビジュアルや清楚な佇まいは、“理想的”すぎて逆に現実感がなく思えるほど。それゆえ、現在放送中の日曜ドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)で演じている、すでに他界した女性という役柄も不思議とハマって見える。

 『親バカ青春白書』は実写版『銀魂』や『今日から俺は!!』(日本テレビ系)を手がける福田雄一によるオリジナルドラマ。ムロツヨシ演じるシングルファザーの小比賀太郎が、娘のさくら(永野芽郁)を溺愛するあまり同じ大学に入学し、共にキャンパスライフを送るという青春ドラマと家族モノをごちゃまぜにしたようなコメディだ。本作で新垣が演じるのは、賀太郎の亡き妻・幸子。『獣になれない私たち』(日本テレビ系)以来1年10カ月ぶりの連ドラ出演、しかも初の母親役とあってキャスト発表時には大きな話題となった。何より驚きだったのは、これまでのように主演やヒロインではないこと。意外性のあるキャスティングに定評のある福田作品らしいとは言え、なかなかに意表をついた配役だ。

 そもそも新垣が本作に抜擢された背景には、2011年に出演したドラマ『らんま1/2』(日本テレビ系)と同じプロデューサーが関わっていること、主演のムロのたっての希望があったと言われている。劇中では回想シーンでの登場となっており、尺も毎回わずか1、2分と短いもの。それでも賀太郎の思い出の中で微笑む幸子はまるで女神のようで、まさしく“浮世離れした”という言葉がぴったり。新垣本人は幸子役について、「すでに亡くなっている設定ではありますが、太陽のような存在をイメージしているとスタッフさんから聞いていたので、それを意識しながら演じました。役作りとしては、全体的に明るく、そして力強くいられたらいいなと思います」と語っている。賀太郎やさくららの学生生活がコミカルな分、幸子の登場シーンは家族の幸せの一コマといった描かれ方をされていることもあり、ドラマの中のギャップの部分を狙っているのでは、と想像する。全方位から「ここにガッキー使っちゃう!?」的なツッコミを期待してのあえてのキャスティングだとしたら、非常に福田監督らしいではないか。

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