『2分の1の魔法』監督、原題タイトルに込めた思いを語る 「一歩踏み出す勇気が必要なんだ」

 8月21日より公開となるディズニー&ピクサー最新作『2分の1の魔法』の監督を務めたダン・スキャンロンが、本作に込めた思いについて語った。

 本作は、『トイ・ストーリー』のおもちゃの世界、『モンスターズ・インク』のモンスターの世界、『ファインディング・ニモ』の魚の世界など、イマジネーションあふれる“もしも”の世界を描き続けてきた、ディズニー&ピクサーの最新作。何をやっても上手くいかない少年イアンと魔法オタクの兄バーリーとの兄弟の冒険を描く。

 キャストには、内気な弟イアン役にトム・ホランド、イアンの兄バーリー役にクリス・プラットが名を連ねた。日本語吹替版では、志尊淳がイアン役、城田優がバーリー役を担当している。

 『2分の1の魔法』という邦題の本作だが、原題は“前進”などの意味がある『Onward』。『モンスターズ・ユニバーシティ』などを手がけてきたスキャンロン監督は、タイトルに込めた思いについて「僕たちはいつもチャレンジすることを恐れないで、自分の中にある力を発揮できるよう努力していく必要があると思うんだ。だから『Onward』というタイトルにした。この言葉は、“前に進み成長していく”という意味があり、イアンとバーリーにとってぴったりの言葉だと思ったんだよ」と明かしている。

 本作は、スキャンロン監督が1歳の頃に父親を亡くした実体験に基づいて描かれている。監督は「もし一度でいいから父親に会えたら……」という思いを抱え、幼い頃はいつも父親について想像していたそう。「僕が1歳で兄が3歳の時に父親が亡くなったんだ。ほとんど父について記憶がないから、少しでも父の手がかりを探していたし、僕はいつも父親がどんな人だったのか?自分は父親に似ているのだろうか?と考えながら育ってきた。もし1日だけ父に会えるとしたらどんな経験になるのか?と思い、そこからこのストーリーが生まれていったんだ」と制作のきっかけを披露した。

 また、とくに内気でシャイな高校生の主人公イアンのキャラクターには、監督の高校時代が投影されている。監督自身も引っ込み思案でクラスで目立つタイプではなく、当時は自分に自信がなかったそう。1日中絵を描くのが好きなタイプだったというスキャンロン監督は、「内気なイアンは本当に16歳の時の僕みたいなんだ」と振り返っている。

 そんな若き頃の自分をイアンに重ねながら、スキャンロン監督は「僕自身、高校時代はイアンと同じようにシャイで内気だったから、自分に自信を付けることは人生において課題だった。そのためには自分の殻を破り、一歩踏み出す勇気が必要なんだ。だからこの映画を見た人が、映画やゲームの世界だけでなく、現実世界でも一歩踏み出して冒険してみようと思ってくれたら嬉しいよ」と作品に込めた思いを明かしている。

■公開情報
『2分の1の魔法』
8月21日(金)全国公開
監督:ダン・スキャンロン
キャスト:トム・ホランド、クリス・プラット
日本版声優:志尊淳、城田優
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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