織田裕二×小手伸也の友情、中島裕翔×新木優子の失恋 『スーツ2』リスタートにふさわしい第3話に

『スーツ2』リスタートにふさわしい第3話に

 新型コロナウイルスの感染拡大によって撮影が見合わせとなり、実に3カ月ぶりに再開したフジテレビ系列月9ドラマ『SUITS/スーツ2』。先週放送された特別編では第1話と第2
話の総集編映像に加えて、今後の“復讐編”の一部として意味深な「模擬裁判」シーンとフ
ァームの代表権を狙う上杉(吉田鋼太郎)の姿が描かれたわけだが、7月27日放送の第3話ではその上杉は一切登場せず。上杉のねらいを封じるためにシニアパートナーを味方につけようとする甲斐(織田裕二)と幸村(鈴木保奈美)、いわば“復讐編”に向かうためのプロローグと呼べる、新たなスタートにはふさわしいエピソードであったといえよう。

 「代表権の交代はシニアパートナーによる投票を行い、過半数の賛成により可決される」。上杉がトップの座を狙うならその事務所規程を利用してくると考えた幸村は、甲斐に企業再生部門のシニアパートナーである瀬川(笹野高史)を味方にするように命じる。しかし瀬川は幸村に不満を抱いており、なんとか取り込もうとする甲斐に対し、ある条件を提示する。それは瀬川が担当しているマディソン建設が計画している商業ビルのプロジェクトを潰すということ。大幅に建設が遅れ、メインバンクからの融資も打ち切られたものの社長の芹沢(石丸幹二)は、計画の続行を譲ろうとしない。そんな中、調査を重ねていく甲斐と大輔(中島裕翔)は、銀行側の動きに不審な点があることに気付くのである。

 

 今回のエピソードの肝となっていたのは、上杉という大きな敵との戦いを前に、「幸村・上杉法律事務所」内の人間関係をはっきりさせることだろう。幸村に「どんな案件でも必ず勝つ。どんな状況でもあなたを守る」と忠誠を誓う甲斐。無資格の弁護士である大輔を抱えているという秘密を共有しながら、上杉という共通の敵と対峙するために結束を深めようとする2人は、その一方でクライアントを裏切りメガバンクの暗躍に乗ろうとした瀬川を容赦なく切り捨てる。そして一番の見どころとなったのは、甲斐と蟹江(小手伸也)のやり取りだ。

 雑誌に掲載されたファームの評判を受けて改善を命じられた蟹江は、アソシエイトたちから「怠けている」と思われていることを知り落ち込んでしまう。そこで甲斐は「誰よりも案件をこなしている」「君はすごい」と言葉をかけ、互いに若い頃の出来事を懐かしみながらねぎらいあう。シーズン1からことあるごとにぶつかり合ってきた“ライバル”だからこそ、この友情シーンは実にアツいものがある。甲斐が立ち去った後に、お馴染みのボイスレコーダーでこっそり録音していた「君はすごい」の言葉を何度も聞き返す蟹江の姿も実にユニークであった。

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