『SUITS/スーツ2』ついに放送再開! フジテレビ“4月クール”最大の切り札に期待大
ついに放送が再開されたフジテレビ系列の月9ドラマ『SUITS/スーツ2』。4月13日に第1話が放送され、その翌週の放送後から休止に入りちょうど3ヶ月。「月9史上最長話数で放送される」と事前に告知されていたことから、少なくとも14話以上の放送が予定されていたと考えられ(現時点で話数に変更が生じるのかは検討中とのことだが)、もし滞りなく放送が続けられていたとしたら先週7月13日に第14話を迎えていたことになる。つまり奇しくも再開日となった7月20日には、当初ならすでに放送が終了して多くの視聴者が“ロス状態”に陥っていたか、もしくはクライマックスの絶頂期に差し掛かっていた(翌週にオリンピックが始まる予定だっただけに、最終回の放送日だったのかもしれない)と推測できよう。
いずれにせよ、いまだに収束の糸口が見えないどころか再流行の兆しさえ見せようとしている新型コロナウイルスの影響を受けて、この春にはほとんどの映画やドラマが撮影を休止せざるを得ない状況が続いていた。そうした中で無事に撮影が再開し、ようやく放送も再開に漕ぎ着けたことは喜ばずにはいられまい。番組公式Twitterで撮影再開が報告されたのは6月6日。そこから実に1ヶ月半もかかったのは、感染対策を講じながら慎重に撮影が行われていたことなど様々な事情が考えられるが、本作に注がれている期待の大きさに応えるだけのクオリティを保持するねらいも大きいと考えられる。
空白化してしまった“2020年4月期”の民放連ドラは、各局が揃いも揃って屋台骨ともいえる大きな看板を用意した空前絶後のクールになるはずだった。日本テレビは『ハケンの品格』、TBSは『半沢直樹』、テレビ朝日は『BG〜身辺警護人〜』、そしてフジテレビが『SUITS/スーツ2』。織田裕二にとって初めての民放連ドラ続編(WOWOWでは『野崎修平』シリーズがあり、『踊る大捜査線』の連ドラは1シリーズしか放送されていない)という、この上ない“特別感”が作品の価値を一層高めているだけに、無事に最後まで駆け抜けることと同等に、前シーズンを上回り、他局の強力なラインナップにも引けを取らないクオリティが極めて重要となるということだろう。そういった意味でも、前述のタイトルの中で一番遅い放送再開となったことも何となく納得できる。
さて、7月20日に放送されたのは第1話と第2話を振り返った総集編となる特別版(この“特別版”という言葉は、この3ヶ月の間ですっかりドラマ界に定着した気がする)。冒頭から幸村・上杉法律事務所内で繰り広げられる模擬裁判から始まり、大輔(中島裕翔)と蟹江(小手伸也)から隠蔽を追求される甲斐(織田裕二)の姿。それから2ヶ月前に遡り、ボストンから帰ってきた大輔が担当した小説のアイデア盗用訴訟、甲斐が担当した無人航空機制御システム売却の交渉、看護師組合と病院の労使交渉と、第1話・第2話で描かれた案件がダイジェストとしてまとめられていく。その合間合間に、甲斐と幸村(鈴木保奈美)と事務所にカムバックしてきたファームの共同代表である上杉一志(吉田鋼太郎)の確執、ようやく進展した大輔と真琴(新木優子)の関係と、このシーズン2の核となるストーリーが描かれていった。