『野ブタ。をプロデュース』が15年ぶりに再放送された意義 色褪せない普遍性を考える
今回の再放送で初めて『野ブタ。』を観た現役高校生からの感想をSNSなどで見てみると、そこまで世代ギャップを感じずに好意的に受け入れられている印象だ。本作が描くテーマは言ってしまえば「高校デビュー」。当時にはなかったInstagramやTwitter、TikTokなどのSNSの台頭により、学校外でもクラスメイトといつでも繋がりやすくなってしまい、その履歴が残ってしまうという点で、現代の方がイメージチェンジを図る難易度は格段に上がっているのではないだろうか。
また同じくLINEの普及で、いじめももっと陰湿で見えづらくなっているとも聞く。確かにLINEには既読スルーやグループ設定機能など、多感な時期の人間関係には特にトラブルに繋がりかねない要素が様々思い当たる。当時よりも、ふとしたことでバズって今の自分とは違う別のステージに一気に引き上げてもらえるチャンスも近くに転がっていそうな一方で、囚われるしがらみは圧倒的に多くなってしまった昨今。しかし、そんな中にあっても本作が見せてくれる主人公3人とその他のクラスメイトたちの足掻きが、苦し紛れの模索こそが、本来的な「セルフプロデュース」の意味合いを教えてくれている。
■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter
■放送情報
『野ブタ。をプロデュース』特別編
日本テレビ系にて放送
第10話:6月20日(土)22:00〜22:54
出演:亀梨和也、山下智久、堀北真希、戸田恵梨香ほか
脚本 : 木皿泉
原作 : 『野ブタ。をプロデュース』白岩玄(河出書房新社)
音楽 : 池頼広
チーフプロデューサー : 池田健司
プロデューサー : 河野英裕、能勢荘志
演出 : 岩本仁志、北川敬一、佐久間紀佳
制作協力 : トータルメディアコミュニケーション
制作著作 : 日本テレビ
(c)日本テレビ