清原果耶は“原節子の再来”!? 安達奈緒子と再タッグの朝ドラ『おかえりモネ』が待望なワケ

 ネット上の反響を見ると、脚本家の安達奈緒子に寄せる信頼も絶大だ。

「安達さんはいま一番勢いがある脚本家として注目されていて、民放ドラマの作品の評価も高いですが、NHKの『透明なゆりかご』からまた別のステージに移行し、注目のされ方が変わった気がしています。『透明なゆりかご』は、原作は一見ふんわりライトなタッチなのに、気楽に読むと思いがけないシビアな現実に驚かされ、泣かされる意外性があるのですが、ドラマでは受ける印象が大きく異なるにもかかわらず、物語のキモの部分は忠実で実写ならではの魅力がありました。また、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)は原作の別々のエピソードから抜き出した要素をつなぎ合わせて一つのテーマとして意味を持たせて描いたりと、アレンジが非常に巧みで、テクニックに長けている。それで原作モノの脚色が上手い脚本家なのかなと思っていたところ、緻密な取材を積み重ねて完全オリジナル脚本で書かれた『サギデカ』も秀逸で。NHKでは、水橋文美江さんが『スカーレット』を書く前に『みかづき』を書いていたり、『カーネーション』の渡辺あやさんが『火の魚』を書いていたり、まず夜の時間帯の単発ドラマや連ドラを書いてもらって、腕や相性を試し、関係性が築かれてから朝ドラに来る流れがあるんです。その点、安達さんは『透明なゆりかご』でNHKとの相性の良さや上手さもしっかり分かった後に、『サギデカ』でオリジナル脚本も経験して、太鼓判が押された状態。2019年には『きのう何食べた?』、『サギデカ』、『G線上のあなたと私』(TBS系)と連ドラを3本も手掛けているにもかかわらず、どれも評価が高い。このペースで仕事をしながら全部ヒットさせているということが一番の安心感です。朝ドラの一番の特殊性は、圧倒的物理的な量の多さで、力のある脚本家も皆さん音を上げてしまいそうになるようなことも往往にしてあるようですが、これだけのクオリティを保ちつつ、書き続けられる安達さんの腕力があれば、朝ドラの量も間違いなく安定感ある形でこなしてくれるんだろうなと思います」

 清原が本作で演じるのは、気仙沼湾沖に浮かぶ緑豊かな島で育ち、「3.11」を経て、気象予報士の資格を獲得し懸命に生きていく永浦百音。安達奈緒子が描き出す世界で羽ばたく、清原果耶の姿を観られる日が待ち遠しい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
NHK総合にて、2021年春放送
主演:清原果耶
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子 
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか

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