『鍵のかかった部屋』大野智×佐藤浩市のユニークなやりとり 『SUITS/スーツ2』小手伸也も登場

 さて、その榎本が密室の謎を解く時には、いつも決まった仕草を見せる。右手の人差し指と親指を擦り合わせ、鍵を開けるというものだ。この仕草について、演出を務めた松山博昭は『ザテレビジョン』のインタビューで撮影時に大野から提案があったというエピソードを語っていた。推理作品で探偵役が謎解きをする時に何らかのルーティンがあるというのはお決まりだが、この仕草で刺激される親指の内側の部分には間脳の反射区が存在しており、集中力を高めて神経を研ぎ澄ませる、つまり謎解きをする上ではなかなか理にかなった仕草と言えるだろう。本ドラマの4年後に放送された『99.9 -刑事専門弁護士-』(TBS系)の中で、松本潤演じる深山は思考をめぐらす時に耳たぶを触る仕草をしていた。これも同じような効果が見込める仕草であり、思いがけないところで両作品が繋がっていたというわけだ。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『鍵のかかった部屋 特別編』
フジテレビ系にて、6月2日(月)21:00~21:54放送
出演:大野智、戸田恵梨香、佐藤浩市ほか
原作:貴志祐介『鍵のかかった部屋』『狐火の家』『硝子のハンマー』(角川文庫)
脚本:相沢友子ほか
演出:松山博昭、加藤裕将、石井祐介
プロデュース:小原一隆
協力プロデュース:中野利幸
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ

関連記事