フランコ・ネロがドイツ映画のオファーを受けた理由とは? 『コリーニ事件』場面写真公開

 6月12日に公開予定の『コリーニ事件』より、フランコ・ネロの場面写真が公開された。

  本作は、ドイツで刑事事件弁護士として活躍しているフェルディナント・フォン・シーラッハの初長編作にして、40カ国以上で翻訳された世界的大ベストセラーを映画化したもの。

 新米弁護士のカスパー・ライネンは、ある殺人事件の国選弁護人に任命される。30年以上もの間、ドイツで模範的な市民として働いてきた67歳のイタリア人コリーニが経済界の大物実業家をベルリンのホテルで殺したのだ。ライネンにとってこれが被告側弁護士として初めて手掛ける大きな事件。しかし被害者は、少年時代からの恩人だった。殺害について一切口を閉ざすコリーニだが、ライネンは事件を深く調べるうちに自分の過去、ドイツ史上最大の司法スキャンダル、そして想像を超える衝撃の真実に向き合うこととなる。

 本作で、謎の殺人事件を起こした犯人コリーニ役に扮するのは、マカロニ・ウエスタン映画で一世を風靡したイタリアの名優フランコ・ネロ。近年では、『ジョン・ウィック チャプター2』への出演が記憶に新しいが、多くの映画ファンにとっては、『続・荒野の用心棒』の棺桶を引きずる流れ者のガンマン・ジャンゴとしてなじみ深い。クエンティン・タランティーノもジャンゴに魅了された一人であり、『ジャンゴ 繋がれざる者』ではネロをゲスト出演させている。そんな彼も78歳になったが、映画情報サイト「IMDb」上では、今年から来年にかけて公開を予定している出演作が映画やドラマあわせて約20本も控えている。

 そんなネロが演じるコリーニは、イタリアからの移民で、ドイツで30年以上模範的な市民として暮らしていた男。ある日、一見コリーニとは縁のなさそうな経済界の大物実業家を殺害し罪に問われるのだが、事件については何も語らない。物静かなコリーニがなぜ殺人を犯したのか。その事件の真相はドイツの法律に隠された知られざる闇に近づく鍵となっていた。

 本作への出演オファーは、監督であるマルコ・クロイツパイントナーの熱烈なラブコールから。エージェントを通した連絡に加え、監督が直筆のラブレターをしたため根気よくオファーを続けた結果、出演が決定した。イタリア人であるネロにとって、全編ドイツ語で演技をすることは大きな挑戦だったが、「俳優にとってこういう役を演じられることは素晴らしい」と作品を心底気に入り、引き受けたという。またオファーの際には、監督が直接ネロのイタリアの自宅に出向いたそうで「ネロの家でランチをして彼の出演作やF1を一緒に観たんだ。以来、仕事をしているうちに彼との友情が芽生えていったよ。100 本以上の映画に出演した人と仕事ができたのは本当に光栄だった」と語っている。

■公開情報
『コリーニ事件』
6月12日(金)、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
出演:エリアス・ムバレク、アレクサンドラ・マリア・ララ、ハイナー・ラウターバッハ、フランコ・ネロ
原作:『コリーニ事件』フェルディナント・フォン・シーラッハ(創元推理文庫刊)
監督:マルコ・クロイツパイントナー
配給:クロックワークス
2019年/ドイツ/スコープサイズ/DCP5.1ch/123分/英題:The Collini Case
(c)2019 Constantin Film Produktion GmbH

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