吉高由里子×柄本佑、最後の口づけは切ない結果に 『知らなくていいコト』“正解のない”最終回

 回を追うごとに重岡大毅の怪演が際立っていった野中は、岩谷に退職届を提出。それをスパッと受け取る岩谷、さらに乃十阿が殺人犯ではなかったことを聞き、野中は気が動転。逆上しながらも「小説家になりますので! その時はどうかよろしくお願いします! さようなら! アハハハハ!」と編集部を去っていく姿は、まるで“ジョーカー”を見ているかの狂いっぷりだ。その宣言通り、2023年の未来で“闇落ち”と描かれたTシャツを着て、テレビに出る作家の野中先生。ドラマ公式にも“クズ男”、“闇落ち”と認められ、最終回までヒール役を演じきった重岡大毅は、“尾高さん”こと柄本佑と並び、視聴者を釘つけにした男の一人だった。

 そして、ラストは2023年、ケイトが大きくなった子供の手を握り仲良く尾高を見つける。声をかけることなく背中合わせに分かれる2人。人が選ぶ人生の生き方も、不倫愛の行方も、正しい答えはない。乃十阿が心の中に沈めた思い、ケイトが取った選択、尾高が決断した生き方も、それぞれが正解だと言い聞かせながら、これからを歩み続けていくしかない。それは私たち視聴者も同じだ。ドラマのようには上手くいかない。このモヤっとしたリアルな心情が、『知らなくていいコト』が伝えるメッセージのように思えた。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
水曜ドラマ『知らなくていいコト』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、重岡大毅(ジャニーズWEST)、秋吉久美子、佐々木蔵之介、小林薫、本多力、小林きな子、和田聰宏、山内圭哉、関水渚、森田甘路、今井隆文ほか
脚本:大石静
演出:狩山俊輔、塚本連平ほか
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:小田玲奈、久保田充、大塚英治(ケイファクトリー)
(c)日本テレビ

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