前田敦子、“プレッシャー”を背負える女優に AKB時代の姿と重なる『伝説のお母さん』の奮闘

 昨年は『マスカレード・ホテル』『コンフィデンスマンJP』『町田くんの世界』『旅のおわり、世界のはじまり』『葬式の名人』と5本の映画に出演。アイドルの頃のキラキラ感を残しつつ、同世代の女性が持つ不安や葛藤、焦燥感など複雑な内面を表現し、共感を集めている。主演を務めた映画『旅のおわり、世界のはじまり』で見せた迷子の子供のような無防備な表情と異国の情景になじむたくましさのバランスが見事だった。自分に何が求められているのかを察知し、空気を読み、期待以上に役割を果たすことができる彼女だからこそ、与えられた役割を飛び越えた世界を見せてくれるのが楽しみなのだ。

 ドラマはいよいよ後半戦に突入。魔王の策略に乗り、勇者マサムネ(大東駿介)はあっさりと魔界に転職するし、ほかの仲間も肝心なときに喧嘩を始めてまとまらない。メイは自分の役割を果たそうとすればするほど窮地に陥る。夫婦の問題にも子育てにも正解はないが、それに加えて魔王討伐を果たせるのかどうか。世の中のお母さんたちの共感を呼ぶメイの冒険は、女優としての前田敦子の奮闘にも重なり、応援せずにはいられない。

■池沢奈々見
恋愛ライター。コラムニスト。

■放送情報
よるドラ『伝説のお母さん』
NHK総合にて、毎週土曜23:30〜23:59
出演:前田敦子、玉置玲央、井之脇海、MEGUMI、片山友希、前原瑞樹、大東駿介、大倉孝二ほか
原作:かねもと『伝説のお母さん』
脚本:玉田真也、大池容子
制作統括:松川博敬、篠原圭
プロデューサー:上田明子
演出:村橋直樹、佃尚能、二見大輔
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/densetsu/

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