「患者はウソをつく」 『病室で念仏を唱えないでください』には心を隠している医師も?

 児嶋が救命に入ったことで、心臓血管外科と救命の対立が激化するかと思いきや、児嶋の人柄の良さもあり2つの科は少しずつ交流を深めている。依然、松本と濱田の関係は悪いものの、児嶋を通してにこっそり松本にヒントを与えていたなど、濱田の優しさが垣間見える場面もあった。また、児嶋は、ずっとイビられていた濱田に対して自分も“仲間”なのだと笑顔を見せる。松本の熱血漢でヘルシーな体質が院内に広がり、素直で熱い人間関係が徐々に広がっているようにも見えた。

 さらに第6話では、それぞれの大切な人に対する想いが描かれた。松本にとっての憲次(泉谷しげる)の存在のように、三宅にも、家族でも恋人でもないが身内のように大切な人がいた。2人はそれぞれの想う相手に真っ直ぐ向き合い、諦めずにサポートしようとしている。三宅は回復し、退院するまでになった洋平を気持ちよく送り出すことができたが、松本と憲次はどうなるのだろう。

 患者はウソをつく。この言葉は今回の重要なテーマとなっていた。洋平の心理状態や御代田の病状に対する不安など、様々な場面で患者の複雑な心境がフォーカスされる。しかし医師はどうだろうか。患者とはまた違った角度から、心を隠している医師もいる。濱田は今回の御代田の一件もしかり、リチャード・ポーと名乗る相手からの電話など、秘密裏に何かを企てていることがわかっている。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』
TBS系にて、毎週(金)22:00~22:54放送
出演:伊藤英明、ムロツヨシ、松本穂香、片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、唐田えりか、谷恭輔、うらじぬの、土路生優里、吉田日向、土村芳、安井順平、時朗、横田真悠、堀内健、宮崎美子、余貴美子、泉谷しげる、萩原聖人、中谷美紀
第1話ゲスト:hitomi、永山竜弥、丸山ゴンザレス、飯窪春菜
原作:こやす珠世『病室で念仏を唱えないでください』(小学館『ビッグコミック』連載中)
脚本:吉澤智子
演出:平野俊一、岡本伸吾、泉正英、
プロデューサー:峠田浩
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/nembutsu_tbs/

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