森七菜が語る、ブレイク後の心境と大ファンだった広瀬すずとの共演 「何か盗もうと思っていた」
岩井俊二監督最新作『ラストレター』が1月17日に公開された。岩井監督が、初めて出身地である宮城を舞台にした本作は、手紙の行き違いをきっかけに始まったふたつの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描くラブストーリー。
松たか子、広瀬すず、神木隆之介、福山雅治らが共演する本作で、松演じる主人公・遠野裕里の高校生時代と、彼女の娘・岸辺野颯香の二役を演じ、歌手デビューとなる主題歌「カエルノウタ」も担当するのが、森七菜だ。ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)や映画『天気の子』などで2019年大ブレイクを果たした彼女に、ブレイク後の心境の変化や、大ファンだったという広瀬すずとの共演について、話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「プレッシャーは全然感じない」
ーー昨年は『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』や『天気の子』など、大活躍・大躍進の1年になりましたね。
森七菜(以下、森):見ていただけることがすごく多くなったと感じる1年でした。2018年はずっと撮影が続いていたんですけど、2019年にそれらの作品が一気に公開されたので、気持ち的にもすごく新鮮で。お芝居をされている先輩方みなさんもそういうターニングポイントがあったんだろうなと感じることもできました。本当に感謝の1年になりましたし、私の中で、心境的にも環境的にもいろいろ変化がありました。
ーー心境の変化というのは具体的にどういうことでしょう?
森:今までは、自分のためにお仕事をやってきたところがあったんです。だけど、昨年ごろから、頭の片隅に「この作品がいつか誰かに届く」という考えを入れておくようになりました。それは大きな変化だと思います。
ーー応援してくれている人の期待に応えるためにという側面もありそうですね。
森:いや、あまり期待はされてないんじゃないですかね……(笑)。
ーーいやいや、そんなことはないと思いますよ!
森:でも、プレッシャーは全然感じないんですよ。「この子、どういうお芝居をするんだろう」って思ってくれる方はいると思うんですけど、それをプレッシャーとしてかけてくるような方は周りにはいないし、優しい方ばかりなので(笑)。『天気の子』の時もみなさん「ゆっくりで大丈夫だよ」と言ってくださったので、プレッシャーを感じることはなかったんです。
ーーそれは意外ですね。今回の『ラストレター』でもプレッシャーを感じることはなかった?
森:そうですね……『ラストレター』の時は、高校生でこんなに大きな作品、しかもこんな大役をやらせていただけることのありがたみをあまりわかっていなかったというか、あまり実感がなかったんですよね。もちろん大切にしたいとは思っていたんですけど……怖いもの知らずだったことが大きかったのかもしれません。なので、これからことの重大さがわかってきてからのプレッシャーとの向き合い方がどうなるんだろうというのは、いま自分自身に問いかけているところではあります。
ーー今回の出演はオーディションで決まったそうですが、オーディションでもプレッシャーを感じたり、緊張したりはしないんですか?
森:オーディションには毎回同じ気持ちで臨むんです。「この人たちとは二度と会えないかもしれない」という気持ちでやるのがモットーみたいな感じで、一つひとつのオーディションを大事にするようにしています。あ、好きな監督だったら、自分の思いを伝えることはしますね。今回は岩井(俊二)さんにも伝えましたし、『天気の子』の時は新海(誠)さんにも伝えました。
ーー誰と共演するのかはオーディションの時点でわかっていたんですか?
森:知らなかったです。お会いする前日に名前が書かれた暗記カードみたいなもので、1名ずつ教えていただいて(笑)。松(たか子)さん、福山(雅治)さん、神木(隆之介)さん、最後に広瀬(すず)さんでした。広瀬さんは、私がこのお仕事を始める前から大好きな存在だったので、最後に広瀬さんを出していただいたのは粋な計らいでした。でも、本当にビッグネームの方々ばかりで驚きました。しかも、皆さんと同じぐらい出演時間があるわけで……。それは台本からわかっていたことだったので、より驚きましたね。当時はお芝居の経験もほとんどなかったんですけど、それでもまだ学生だからとか10代だからとか自分に言い訳はしたくなかったので、とにかく頑張ろうと思いました。
ーーしかも演じるのは、松たか子さん演じる主人公・遠野裕里の高校生時代と、彼女の娘・岸辺野颯香の二役という。
森:そうなんですよ。1本の映画だし、作品を観ていただく方が混乱しないように、演じ分けたいなとはすごく思っていました。裕里は松さんの学生時代なので、普段の松さんだったり、ドラマや映画の中での松さんの仕草だったりを意識しながら真似してみたりしました。一方の颯香は中学生で、当時の裕里よりも少し幼くて性格ももっと明るいので、私のやりたいようにやるみたいな感じでした。颯香を演じる時は常にボルテージ100というイメージでしたね。