吉沢亮が継承する“倍返し”のスピリット 『半沢直樹』SPドラマは「信じる」がキーワードに
また『エピソードゼロ』で描かれたのは、世代を超えて継承される「倍返し」のスピリットだった。倍返しには単なるリベンジだけでなく、相手を上回るアイデアで意表を突くという意味合いも込められている。「彼らの動いたシナリオ通りに動かしてやりましょう」と宣言した高坂は、フィッシング詐欺の手口を応用することで見事に犯人を特定。悪事を暴かれて犯人が取り乱す場面は『半沢直樹』の名シーンを想起させた。
「理不尽なことに立ち向かえる半沢部長はすごい方ですね、そんな大人になりたい」と高坂は語る。『半沢直樹』で半沢は同期の近藤(滝藤賢一)や渡真利(及川光博)と銀行の不正に立ち向かった。『半沢直樹Ⅱ』では「バブル入行組」の半沢たちに対して下の世代である「ロスジェネ」やさらに若い高坂や瞳たちの登場も示唆され、広がりのあるドラマとなることが予想される。
社会現象となった『半沢直樹』から7年。『エピソードゼロ』のラストには半沢と渡真利も登場し、新シーズンへの期待は否が応にも高まった。「今の俺はこの捨てられたネズミと同じだよ」と自嘲する半沢は、新しい世代の活躍を目にして、どんな倍返しを見せてくれるのだろうか? 「半沢直樹イヤー」となる子年の逆転劇が今から楽しみだ。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/twitter
■放送情報
『半沢直樹イヤー記念・エピソードゼロ』
TBS系にて、2020年1月3日(金)23:15~放送
出演:吉沢亮、今田美桜、吉沢悠、井上芳雄、北村匠海、尾上松也、緒形直人
監修:福澤克雄
チーフプロデュース:伊與田英徳
プロデュース:宮崎陽平
演出:松木彩
企画協力:池井戸潤
製作著作:TBS
(c)TBS