『グランメゾン東京』ついにチームが完成 木村拓哉がチームビルディングの物語を演じる意味

 「できたな、最高のチームが」

 木村拓哉主演の日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系、日曜夜9時)が最終回を迎える。これまでに最高視聴率は14.7%を記録(第9話、ビデオリサーチ調べ、関東地区)。数々の困難に打ち勝ってきた主人公たちが、「ミシュラン」の三つ星獲得を目指そうとする結末に向けてグイグイ盛り上がってきた。主題歌「RECIPE(レシピ)」を歌っている山下達郎によると、フランス料理店で食事をしているとシェフたちが集まってきて「毎回見ています!」「参考になります!」などとドラマを絶賛するほどなのだという(TOKYO FM『山下達郎のサンデー・ソングブック』)。

 『グランメゾン東京』のストーリーを一言で表すならば、「チームビルディング」の話である。常に料理に真摯に取り組む天才シェフの尾花夏樹(木村拓哉)、驚異の味覚と突破力を持つオーナーシェフの早見倫子(鈴木京香)の二人を中心に、誠実で包容力のあるギャルソンの京野陸太郎(沢村一樹)、「相棒」感が漂うアイデアマンのシェフ・相沢瓶人(及川光博)、理想的な見習いの芹田公一(寛一郎)、才気あふれるパティシエの松井萌絵(吉谷彩子)、復讐を企んでいたソムリエール・久住栞奈(中村アン)らが次々とチームに加わっていき、そして最後のピースとして大きな挫折を味わったきらめく才能を持つシェフの平古祥平(玉森裕太)が加わった。冒頭のセリフは、10話のラストで平古祥平がチームに加わったときの尾花夏樹のもの。

 とりわけ10話では「チーム」と「仲間」が強調されていた。京野は「これからはチーム一丸となって三ツ星を狙う」と宣言していたし、相沢は離散してしまったレストランの仲間たちのことを想って、「あの時、バラバラになった仲間たちのためにも、僕はこの店を成功させなければならないと思ってる」と強い口調で語っていた。倫子は「私、ホント、すっごい仲間に恵まれてるなぁ、と思って」と感慨深そうに呟き、「頼れる仲間たちがいますから」と世界一のフーディー、リンダ(冨永愛)に啖呵を切っている。最後に平古祥平が「俺は、この店に入りたいです。グランメゾン東京で、尾花さんやみんなと一緒に料理を作りたいです!」と叫んで、ついにチーム「グランメゾン東京」が完成したということになる。

 同時にライバルのレストラン「gaku」でシェフの丹後(尾上菊之助)が解任され、厨房のスタッフたちの心がバラバラになっていく様子を描くことで、「グランメゾン東京」のチーム感、仲間感がより際立つようになっていた。

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