情けなく、“最もカッコ悪い”高良健吾を見届けよ! 『アンダー・ユア・ベッド』は狂った小さな恋の物語
孤独な人物の恋の物語
そして悲劇的なヒロイン千尋を演じる西川可奈子である。彼女は全編を通して悲惨なDVに遭うのだが……本当に見ていて辛い。平和だった頃の回想での華やかさと、妻になってからの落差が凄まじく、「気の毒」以外の感想が出てこない。時にDVを含む性的なシーンがポルノ的な意味での見せ場になってしまうことがあるが、彼女の存在がそれを止めていたように思う。彼女のあまりにも悲惨な姿によって、本作のメインプロットである「サイコな青年が女性を救うために奮闘する」という部分が守られていた。もちろん主役は高良健吾だが、西川可奈子とのW主演と言ってもいいほどの活躍だったのではないか。
本作は非常にミニマムな映画だ。舞台は千尋の家と、三井の隠れ家ぐらいである。死体の数も多くないし、ド派手なスプラッター的なシーンがあるわけでもないし、主要登場人物は3人だ。しかし、そのミニマムさが心地よい。大別すればサイコホラーになるのだろうが、ただ「自分の名前を呼んでほしい」だけの孤独な人物の恋の物語として、印象に残る1本だと言えるだろう。いわば狂った小さな恋の物語である。
■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter
■リリース情報
『アンダー・ユア・ベッド』
2020年1月8日(水)、Blu-ray&DVD発売 ※同日レンタル開始
Blu-ray:4,800円+税
DVD:3,900円+税
【映像特典】
・メイキング
・舞台挨拶集
・予告編
【封入特典】
・ブックレット
出演:高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔
原作:大石圭『アンダー・ユア・ベッド』(角川ホラー文庫刊)
監督・脚本:安里麻里
製作:ハピネット、KADOKAWA
制作プロダクション:ザフール
配給:KADOKAWA
R18+
発売・販売元:株式会社ハピネット
(c)2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会
公式サイト:http://underyourbed.jp
公式Twitter:@UYB_movie
高良健吾・西川可奈子・安部賢一サイン入り
『アンダー・ユア・ベッド』B2ポスターを3名様にプレゼント
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