宮野真守は、ヒロイン役の花澤香菜を「不幸にしがち」? 『HUMAN LOST 人間失格』での関係性を明かす

 劇場アニメーション『HUMAN LOST 人間失格』の公開記念初日舞台挨拶が29日、TOHOシネマズ 新宿で行われ、声優の宮野真守、監督の木崎文智、ストーリー原案・脚本の冲方丁が登壇した。

 本作は、日本文学の金字塔・太宰治の「人間失格」を、狂気なSF・ダークヒーローアクションに再構築したオリジナルアニメーション。医療革命により死を克服した昭和111年の東京を舞台に、体内のナノマシンをネットワーク管理する究極の社会システム“S.H.E.L.L.”(シェル)体制によって生かされる人々を描く。

 宮野が演じる主人公・大庭葉蔵は、原案にも登場するキャラクター。木崎は「基本的には、原案から外れないようにキャラクターを作った」と話し、冲方は「原案のイメージがある人は、途方もなく違うと思うはず。でも、人間関係の構図は壊さないことを念頭に置いた」と、それぞれ振り返った。

 ここから、「シナリオ開発には2年を費やした」といった制作秘話が語られると、宮野は「最初は、どんな足がかりが?」と興味津々。冲方が「SFにするにはどうするかを話して、人間全部失格にしようと……」と明かすと、宮野は「大胆ですね。でも、ありえない設定を最初にドンッと持ってくるのは、SFとしてインパクトがありますもんね」と頷いた。

 その後も「アクションは100分中25分しかやれないと言われたのに、結局80分くらいになった」「(制作費がかかるため)葉蔵の服を脱がすなと言われたのに、変身する度に全裸になる」といった裏話が次々に飛び出し、「(ダメと言われたことを守らず)どんどん失格していった。でも、それは僕だけじゃないと思う」と木崎。それを聞いた宮野は、「スタッフがロスト化したからこそできた『人間失格』。素晴らしいなぁ」と、制作陣の熱量に感心しきりだった。

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