『G線上のあなたと私』インタビュー

滝沢カレンが語る、『G線上のあなたと私』でひらけた女優への道 大切な“名前”へのこだわりも

 大人のバイオリン教室を舞台に、元OLの也映子(波瑠)、大学生の理人(中川大志)、主婦の幸恵(松下由樹)と、境遇も年齢もバラバラな3人の不器用な恋と友情が描かれる火曜ドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)。実力派俳優たちによって紡ぎ出される会話劇に、毎週やさしい気持ちに包まれる作品だ。

 そんな本作で豪華キャストたちと共に、初々しい演技を披露している滝沢カレン。彼女が演じるのは、理人の兄・侑人(鈴木伸之)の妻・芙美。お腹の子に星絵夢(ポエム)、園風(ゾフィ)、苺郎(いちごろう)など、オリジナリティ溢れる名前の候補を出したり、お花見を家族みんなで楽しもうと提案したり……とにかく天真爛漫で明るい印象の芙美は、滝沢の持つパブリックなイメージに近い。

 だが、回を重ねるごとにわかってきたのが、芙美はどうやらフワフワと見えて、根はしっかりとした強い女性であるということ。そして実は、そのギャップも“滝沢カレン”という女性と重なってくるということ。今回は、芙美役を通じて見えてきた新たな魅力、そして「女優として今後もっと頑張りたい」という意欲について聞いた。このインタビューを読み終えた後、きっとあなたも滝沢カレンを応援したくなるはずだ。

「あっ」の演技に悪戦苦闘

――番組の公式のインタビュー動画では「女優としてヒヨコとしてもまだ生まれていないようなタマゴなんですけど」とおっしゃっていましたが、実際スタートしてみていかがですか?

滝沢カレン(以下、滝沢):やっぱり毎週、自分の演技が恥ずかしくなるほどにヘタクソなので、それが申し訳ないなと思いながら、お邪魔させていただいています……。

――現場の雰囲気は?

滝沢:みなさん本当に優しいですし、誰もダメとは言わないし(笑)。それは、すごいありがたいですけど、自分の中では毎週毎週直したい点が見つかっちゃいますね。

――例えば、どんなシーンが難しかったですか?

滝沢:私が演じた芙美さんは、誰かが来たことに「あっ」って気づくシーンがとても多いです。でも、それが1番苦手で。私自身は台本で来るっていうのを知っているじゃないですか。でも、初めて来たことに気づいた感じで「あっ」って言わなきゃいけないのに、どうしても知ってるから「待ってました!」の「あっ!」になっちゃうんですよ(笑)。それがすごく難しい。もっと自分はできるって信じすぎていたので、余計できない自分にガッカリしました。

――できていない、っていうのは自分でいつも思われるんですか? それとも誰かに指摘されて?

滝沢:はい。自分でも思いますし、マネージャーさんにも「そうなってたよ」って気づかれます。たぶん、見ている方も気づいているんじゃないかな。「あっ」が不自然だって。自然にできるようにしないと。

――自然に振る舞えるように、演技力をどうやって鍛えているんですか?

滝沢:映画やドラマをたくさん観たり、何回も何回も自分で練習しています。言葉がまず出てこないと、その先の自然さにはならないんで、何回もセリフを言っています。まだ「現場に台本を持ち込まない」なんてカッコいいことはできないので、本番ギリギリまで台本を読んでいます。監督さんにも「どうしたらいいですか?」って聞いたり。

『G線上のあなたと私』第5話より(c)TBS

――芙美さんを演じる上で、どんなアドバイスをもらいましたか?

滝沢:芙美さんって、すごく天真爛漫だし、天然さもある人なんですけど、その優しさが何も知らないからなのか、それとも全部知っていて包み込んでいるのか、なかなかわからない人なんです。何も知らない風にしてほしいと言われたので、私も原作を読んだことを忘れて、台本で初めて読むような感覚を意識しています。

――なるほど、確かに。その侑人さんの過去とか……。

滝沢:そうです(笑)。侑人さんの今までのこととか。子どもも生まれて、「飛翔くん、飛翔くん!」と子どもばかりに夢中になっているだけじゃなくて、実は芙美さんはしっかりしてるんじゃないか、と少しずつ気づいて感じられるようにできればと思っています。

――鈴木伸之さんとの夫婦役はいかがですか?

滝沢:鈴木さんは赤ちゃんを抱く姿勢とか、やっぱり真面目ですし、子どもからも愛される人だと思います。やさしくて、温かくて……と言ってもあまり喋らないのでわからないんですけど(笑)。私、すごく緊張しちゃうから。

――緊張しやすいんですか?

滝沢:そうなんです。実はすごく人見知りで。みなさんすごく優しいし、話してくれるんですけど。松下由樹さんとは、バラエティ番組で一緒になったとき、話しかけてくれて。私が『ナースのお仕事』(フジテレビ系)のファンだったので、会えたときすごい嬉しかったですって言いました!

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