塚本高史、『まだ結婚できない男』に安定感をもたらす存在に 表現力に結びつく“人間味”

 塚本の演技には、しばしば「この役、ピッタリだな」という感想を抱いてきた。だが改めて振り返ってみると、しばしばどころか、どの作品を観てもそう感じていたことに気づかされる。

 塚本は、既出の『木更津キャッツアイ』をはじめ『マンハッタンラブストーリー』『タイガー&ドラゴン』(ともにTBS系)など、宮藤官九郎(以下、クドカン)脚本作品に数多く出演してきた。クドカン作品といえば、個性的な登場人物が多いのも特徴であるが、そんな中でもナチュラルな人物として物語に存在し続けており、それこそが彼の持ち味。演じるキャラが濃かろうが薄かろうが、善人だろうが悪人だろうが、“どっかにいそうな人”になるのがとても巧いのだ。

 2017年に放送された『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)では「役者でつるむのは無い」「(奥さんが)いないと病気になっちゃう」と語るなど、とにかく飾らないのが塚本のスタイル。世間にどう見られたいかより、自分がどう生きたいかを貫くことで溢れる人間味が、きっと役者としての表現力に結びついているのだろう。

 役者活動の傍ら、長きに渡り音楽活動にも注力。Instagramなどで垣間見ることができるプライベートには人生を楽しむ余裕が感じられ、心惹かれるものがある。そんな人としての魅力、すなわち役者としての魅力は、年を重ねるごとに増している。まだ37歳。当たり前のように物語の中で生き、作品に安定感をもたらす塚本高史が、これからどんな役に息を吹き込んでいくのか。胸は高鳴るばかりだ。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
『まだ結婚できない男』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~21:54
出演:阿部寛、吉田羊、深川麻衣、塚本高史、咲妃みゆ、平祐奈、阿南敦子、奈緒、荒井敦史、小野寺ずる、美音、不破万作、三浦理恵子、尾美としのり、稲森いずみ、草笛光子
脚本:尾崎将也
演出:三宅喜重(カンテレ)、小松隆志(MMJ)、植田尚(MMJ)
チーフプロデューサー:安藤和久(カンテレ)、東城祐司(MMJ)
プロデューサー:米田孝(カンテレ)、伊藤達哉(MMJ)、木曽貴美子(MMJ)
制作著作:カンテレ、MMJ(メディアミックス・ジャパン)
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/kekkondekinaiotoko/

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