ジェームズ・キャメロンと衝突も!? ティム・ミラー監督が明かす、『ターミネーター』新作製作秘話

 『ターミネーター』シリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』が11月8日に公開された。1984年公開のシリーズ第1作『ターミネーター』、その7年後の1991年に公開された『ターミネーター2』(以下、『T2』)以来、シリーズ生みの親であるジェームズ・キャメロンが製作に復帰し、『T2』の正統な続編が描かれる本作。T-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーとサラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが『T2』以降初めて顔を揃えたことも話題となっている。

 そんな重要な作品のメガホンを託されたのは、世界中で大ヒットを記録した『デッドプール』で長編監督デビューを果たしたティム・ミラーだ。監督を務めることになった背景からキャメロンとの衝突まで、来日した本人に話を聞いた。

「『ターミネーター』の醍醐味はサラ・コナーのストーリー」

ーージェームズ・キャメロンが製作に復帰したことがひとつの大きなトピックとして語られる本作ですが、あなたが監督を務めることはどのように決まったのでしょう?

ティム・ミラー(以下、ミラー):僕が『デッドプール』の撮影をほぼ終えようとしている時に、キャメロンとともに今回の作品のプロデューサーを務めているデヴィッド・エリソンが、別のプロジェクトの相談で僕のところに来たんだ。そこで『デッドプール』を観てもらったりもしたんだけど、話をしていくうちに2人も『ターミネーター』の大ファンだということがわかって、意気投合した。そこで、デヴィッドから「新しい『ターミネーター』のプロジェクトを進めているんだけど手伝わないか?」という話をもらったんだ。僕としては「是非とも!」という感じだったんだけど、「やるとしたら是非ジェームズ・キャメロンに戻ってきてほしい」とも伝えた。そしたら、デヴィッドも同じことを考えていたというわけなんだ。だから、ジム(ジェームズ)が参加することが決まった時には、すでに僕が参加することはなんとなく決まっていたんだ。もちろんジムは僕を追い出すこともできたはずだけど、そうはしなかった(笑)。

ーー実際にキャメロンが戻ってくるのが決まった時はどのような気持ちでしたか?

ミラー:とにかくワクワクしたよ。なんせ彼は『ターミネーター』フランチャイズを生み出した権威だからね。だから、ジムが参加しなかった『ターミネーター3』以降の作品とは違うものができるだろうという確信があったし、あの『T2』に続く作品になるだろうとね。ファンにとっても、ジムが認めているストーリーだということで、興味を持ってくれる作品になると思った。それに、リンダ(・ハミルトン)が戻ってきてくれたことも、ジムの製作復帰が大きかったんじゃないかな。

ーー『T2』以降の続編として作られた『ターミネーター3』『ターミネーター4』、そしてリブート作となった『ターミネーター:新起動/ジェニシス』についてはどのような感想を抱いていましたか?

ミラー:興味深いなとは思ったけど、どの作品もジョン・コナーに焦点が当たっていたよね。僕としては、『ターミネーター』の醍醐味はサラ・コナーのストーリーだと思うし、たとえサラが出てきたとしても、演じるのがリンダでなければ、まったく違うキャラクターに映ってしまう。だから、本当の意味での“続編”や“リブート”という気がしなかったのが正直なところだね。

関連記事