『いだてん』インタビュー

中村七之助が振り返る『いだてん』への出演 実の兄・中村勘九郎と金栗四三の共通点とは

「金栗四三さんは、“欠如した魅力”がある」

ーー圓生さんの役が決まった時にお兄さん(中村勘九郎)とお話はしましたか?

七之助:「いい作品だから、変に見えてしまったら嫌だなあ」と言ったら「大丈夫だよ」って言っていました。「ちゃんとやれよー」と、それだけ言って帰っていきましたね(笑)。

ーー長いお付き合いがあると思いますが、七之助さんにとって宮藤さんはどんな方ですか?

七之助:変な人ですよ(笑)。いつも照れているような感じがしますね。普段からあのままですよ。考えていることも面白いですし、一人でクックと笑っていたりしていますし、脚本を書いていてもどんどん膨らんでいくんじゃないですかね。彼の中で、大まかなあらすじというのは考えていると思いますけれど、伏線の回収の仕方やキャラクターに対する愛情の深さ、キャラクターのいい部分の引き出し方、こういうこと言うだろうなというセリフ、それを納得させる役者の活かし方の上手さと、構成が合っていて、面白い作品を作ると思います。

ーーお兄さんである勘九郎さんが演じる金栗の魅力はいかがですか?

七之助:うちの兄の金栗四三さんは、もうまっすぐで、兄のストイックさのまんまなので、兄を見ているようです。でも兄は熊本に帰らないようなヒドイ人じゃないですけどね(笑)。四三はある意味ちょっと極端ですけど、走ることしか考えてなかった人なんだと思います。そういう、欠如した魅力というのもすごく出ていますし、すごく純粋な人だからこそ、みんなが支えているというのが、うちの兄にぴったりだと思います。面白いけれど、ふざけているようには見えないというか、真剣にやったことが面白く見えていることが、兄が演じる金栗四三像にぴったりなんじゃないかなと思っています。

(取材・文=Nana Numoto)

■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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