横浜流星が踏み出した夢への一歩 『4分間のマリーゴールド』桐谷健太との涙の兄弟喧嘩

『4分間のマリーゴールド』涙の兄弟喧嘩

 藍(横浜流星)には藍の人生が、廉(桐谷健太)には廉の人生がある。ようやくそれぞれが自分の足で歩み、自分の人生を生きることを決意した『4分間のマリーゴールド』(TBS系)。第7話では、涙の兄弟喧嘩と廉の恋模様が描かれる。

 料理の道に進みたい藍だが、廉の反対に押し切られ大学進学のための勉強を続けている。そんな藍を見て、琴(鈴木ゆうか)は”藍らしくない”と一喝する。自分の好きになった藍は、やりたいことにひたむきで諦めない藍だと言う。それを聞いた藍は、自分の本当に大切にしている料理の道を目指すことをもう一度頑張ろうと決心し、廉に再度、料理の道に進みたいと相談する。

 しかし廉は聞き入れない。藍はついに、試験日に試験を受けずに帰ってくるという暴挙にでた。廉はそれを聞いて怒り心頭し、兄弟喧嘩に発展してしまう。廉はやけになり酒を飲むと、元カノの千冬(磯山さやか)を呼び出す。酔いつぶれた廉を送るために花巻家にきた千冬は、久々に再会したみこと(福士蒼汰)や沙羅(菜々緒)、藍に、廉との過去の恋愛を話した。

 廉は、家族のために千冬との恋を諦め、花巻家の家長を一人で背負って努力してきたのだった。それを聞いた藍は、翌朝廉に謝り、おかゆを作って食べさせる。廉はその味に号泣し、藍の背中を押す決心をし、藍が調理の専門学校に行くための資料を手渡した。

 廉は藍を想うばかりに、心配でたまらなくなって藍の人生に口出ししてしまう。桐谷の芝居はその愛情の大きさがひしひしと伝わってくるものがあり、その迫力に思わず涙を誘われる。芝居を受ける横浜も、目を潤ませグッと気持ちをこらえる姿で、家族の絆ゆえの衝突の心苦しさを見事に表現していた。

 心の底から向き合って、意見が食い違えば真正面からぶつかる花巻家は、廉がこうやって愛情を持って目を光らせてきたからこそ成り立ってきたのだとわかる。桐谷の大きな声と熱い芝居、横浜の冷静なトーンの芝居はそれぞれ大きくギャップがあるが、二人のキャラクターの心情にとてもよく寄り添っている。性格の違うキャラクター同士のぶつかり合いを、ただの喧嘩ではなく強い愛情を想起させるほど深く演じきれたのは、桐谷と横浜の実力があってこそだ。桐谷の熱い芝居と横浜の強い眼差しで、花巻家の絆はより視聴者に伝わった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる