菜々緒の運命を救うヒントは 『4分間のマリーゴールド』は第2章に突入
沙羅(菜々緒)の運命がついに花巻家全員に知らされる。押入れの中で隠れて聞いていた沙羅は自分が死ぬことを知ってしまうのであった。『4分間のマリーゴールド』(TBS系)第5話では、いよいよみこと(福士蒼汰)が沙羅を救うと覚悟を決める。
廉(桐谷健太)の同僚である原田の妻がすい臓がんで倒れてしまい、みことは偶然その救助にあたった。廉はみことの能力に懐疑的であったが、原田夫婦の一件をみて本物であると理解する。そして沙羅の死がより現実的になったことで泣き崩れるのであった。沙羅の運命について、みことは藍(横浜流星)にもきちんと話そうと機会を設ける。廉と藍をみことの部屋に集め、沙羅は来年の誕生日に死んでしまうと説明した。そこでみことは突然押入れを開ける。そこには沙羅がいて、一連の話を聞いてショックを受けていた。廉は沙羅にこの話を聞かせたことを咎めるが、みことにとってこの行動は沙羅を救うための覚悟だったと言う。みことは改めて灯台の下で沙羅と話すが「この力は沙羅を救うためにあると思っている」「俺は沙羅を死なせないよ」と沙羅を救う覚悟を見せた。
今までどこか頼りなく受け身の姿勢が多かったみことが、ついに覚悟を決めて沙羅の運命と向き合う。広洋(佐藤隆太)が、みことはいつも欲しいものを欲しいと言わないと話したように、みことは控えめで相手を思いやる行動をとることが多い。しかし沙羅のこととなると、ちゃんと思いを伝え義姉弟から恋人になったり、運命を受け入れ絶対に死なせないと腹をくくるまで強気な姿勢を見せるのであった。そんな行動の端々からも、沙羅を大切に想っている気持ちが伝わってくる。妻の病気に取り乱す原田にみことがかけた言葉は「あとはもうできることをするしか。その人のためになると信じて」というものだった。これは原田に伝えたものでありながら、みことが自分自身に言い聞かせた言葉でもあるだろう。このことからも、みことは自分にできることを探して、一歩ずつ沙羅の運命に寄り添おうとしている決意を感じる。
本作でみことを演じる福士はいつも切ない表情を浮かべ、優しく笑っているばかりであったが、今回は沙羅を強く抱きしめ決意の表情を見せる。守りたいだけではなく、不安や悲しみ、恐怖なども入り混じった複雑な気持ちだろう。福士はそんな気持ちを絶妙な表情で演じきった。オーバーではない芝居から、決して強引ではないみことらしい静かなる闘志を感じる。福士の繊細な芝居で、みことの控えめで紳士的なキャラクターがより引き立っているように感じた。