賀来賢人、ディーン・フジオカ、松山ケンイチ、“無精髭”を最高のアイテムにする俳優たち

 女優が役柄によってメイクを変えて清楚であどけない表情を見せたり、妖艶な印象を与えたりするように、大人の男の色気を強く意識した役柄を演じる俳優にとって、“髭”は重要なアイテムである。そんなことをドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ系)で主演を務める賀来賢人を見ていると改めて感じる。

 本作は、警視庁捜査1課の碓氷薫(広末涼子)が殺害され、その部下であり記憶喪失の遊佐清春(賀来賢人)が山小屋で目覚めるところから始まった。清春の手には拳銃があり、その傍らにすでに事切れた状態の彼女が横たわっていた。

『ニッポンノワール ー刑事Yの反乱ー』(c)日本テレビ

 物語はドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の半年後の設定となっており、清春は元・半グレ集団ベルムズの“リーダーK”喜志(栄信)に指示を出し、自ら証拠を隠滅。碓氷班長を殺害した真犯人を探し始めると同時に、彼女が追っていた「10億円強奪事件」の謎にも迫っていく。サブタイトルに「刑事Yの反乱」とあるが、1人の刑事が巨大な組織を相手に反乱を起こしていくミステリーで、主人公の清春を含め、登場する刑事全員が曲者で容疑者でもある。

 SNSなどでも話題になっているが、コメディ色が強かった賀来賢人が一変して大人の男の色気漂うハードボイルドな男を演じているギャップが鮮やかだ。映画化も決定するなど話題になったドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で演じた金髪ヤンキー三橋貴志役とは真逆の、違う意味で危険な香りのする今回の刑事役。程よく割れた腹筋もセクシーだが、簡単に手の内を明かしそうにないミステリアスな表情に無精髭がとてもよく似合う。

 ただ、日本人男性にとって自分に似合う髭を見つけること自体、難しいことかもしれない。理由は3つある。

(1)職業や立場によっては髭を剃らなければならない
(2)一般的な女性受けを狙い、モテたいなら髭を剃ったほうが無難
(3)かっこよく自分に似合う髭をキープするのは意外と手間がかかって面倒

 仕事によっては清潔感を重視し、毎日髭を剃ること、髪を短く整えることなどが義務のようになっている場合も多い。それゆえ、あえて貫禄を出したいときや威厳があるように見せたいときには髭が重宝する。ある意味、髭は男性にとって常識の枠を超えることの象徴ともいえる。

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