橋本愛、久々の民放連ドラ『同期のサクラ』で発揮する存在感 助演だからこそ伝わる、その器量とは

 ここで同じ画面に映るのが、仮に同世代でもテレビスケールに留まるレベルの俳優たちであったならば、良くも悪くも完全に橋本ひとりの独壇場となりかねないシーンであったように思える。しかしそこは、高畑や新田といった映画主演級の実績の持ち主と、竜星と岡山の若き名バイプレイヤーだからこそ綺麗に受け止められ、作品全体のバランスはもちろん遊川脚本の魅力を一切損なわない巧妙な芝居になったといえるだろう。あくまでも主人公の好対照になる存在として助演に徹しながら、そのポテンシャルを抑制せずに解放しきれる環境が整っている。そう考えると、実に贅沢なアンサンブルを楽しめるドラマだ。

 23日に放送される第3話では、そんな橋本演じる百合がフィーチャーされる物語が展開するとのことで、予告映像ではまたしてもサクラを怒鳴りつけるシーンがメインとなって構成されているのも興味深い。第1話のファーストシーンで赤ん坊を抱いて歩いていた橋本が、初めて挑む母親役としての本格的な芝居を見せてくれることはもちろん、今後のドラマの展開にも関わってくるであろう、サクラという人物によって心動かされる百合の心情を橋本はどのように表現してくれるのか、大いに注目しておきたい。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『同期のサクラ』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:高畑充希、橋本愛、新田真剣佑、竜星涼、岡山天音、相武紗季、椎名桔平
脚本 : 遊川和彦
チーフプロデューサー : 西憲彦
プロデューサー : 大平太、田上リサ(AXON)
演出 : 明石広人、南雲聖一
制作協力 : AXON
製作著作 : 日本テレビ
(c)日本テレビ
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公式Twitter:https://twitter.com/douki_sakura

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