ディーン・フジオカ×岩田剛典が名コンビに 2人の“内なる魅力”が引き出された『シャーロック』

 今回の『シャーロック』の第1話でも、劇中、岩田は同僚の医師殺しの容疑者にもなる。先にも書いた通り、この人を信じてもいいのだろうかという不安を感じさせるような役であった。

  ファーストカットは眼鏡をかけた岩田が次第にカメラを、視聴者をじっと見据える目のアップから始まる。それを見て、このチームがディーン同様、岩田の内なる魅力を引き出そうとしているのだと感じた。

 もちろん、岩田には冷たさだけでなく、数々のドラマや映画やCMで見せるような親しみやすい笑顔も魅力である。ディーン・が演じる獅子雄のどこか浮世離れしたキャラクターが、若宮に対してとっぴょうしもないことをふっかけ、それに巻き込まれたときに、岩田のそんな温かみが出る。

 第1話では、松本まりか演じる真犯人の持つクルーザーで睡眠薬をもられ、倒れて眠っているかに見えたが(実は眠っておらず)、彼女が放った熱湯がかかって、「あちっ」っと起き上がるシーンにはクスっとさせられた。

 また最後のシーンでは、獅子雄が若宮の家に転がり込み、ふたりでお互いの荷物を窓から捨てるシーンがあった。なんでもない、もっと言うとくだらないふたりだけの応酬だが、意地をはりながらもお互いに気を許している感覚や、心地よい空気を感じているのがわかって、とても印象に残るシーンとなっていた。

 こうしたシーンは、お互いにまだ説明のつかない信頼や信愛の情が見えるものであり、この後、もし2人を何か分かつ出来事があったときに、真っ先に思い出され、ぐっとくるものになるだろうと思われた。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『シャーロック』
フジテレビ系にて、10月7日(月)スタート 毎週月曜21:00~21:54
出演:ディーン・フジオカ、岩田剛典、山田真歩、ゆうたろう、佐々木蔵之介ほか
原作:アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ
脚本:井上由美子
プロデュース:太田大
演出:西谷弘
制作・著作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/sherlock/

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