「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『宮本から君へ』

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、テレビドラマ放送後に宮本の熱血営業マンぶりに感化され、営業無双している大和田が『宮本から君へ』をプッシュします。

『宮本から君へ』

 文具メーカー「マルキタ」の社員・宮本浩は、営業スマイルひとつできず、自分が社会で生きていく意味を思い悩み、何に対しても全力でぶつかる、超絶不器用な人間だ。ドラマでは新人社員として先輩・神保(松山ケンイチ)の元で仕事に奮闘する姿が描かれ、その神保の仕事仲間として紹介されたグループの中の一人が中野靖子(蒼井優)だった。2人だけのシーンはそれほどなく、恋を予感させるような描写もなかった宮本と靖子だったが、夜道に自転車2人乗りで颯爽と走り出していくシーンだけがとても印象に残っている。そして公開された映画で描かれているのが、恋人同士になった宮本と靖子が、「愛の試練」を乗り越えていく話だ。

 ドラマでは、本作のために宮本を演じる池松壮亮が坊主にするという、体を張った役作りも見せていたが、映画でも池松が宮本に懸ける思いは尋常じゃなかった。本作では、たびたび前歯がない宮本が登場する。それはとある決闘で負った痛手なのだが、池松自身、実際に歯を抜こうとしたのである。『君が君で君だ』という作品時に、実際に髪の毛を食べるシーンで人毛を食べていたことを本人から聞いていたので、映画をみている最中に、まさか……(試写直後に、宣伝担当者にすぐ聞いた)とは思ったが、やはり全身で俳優として生きている池松の姿に尊敬した。実際には、原作者の新井英樹氏に止められたそうだ。

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