『なつぞら』内村光良が明かす、「なつよ」に込めた思い 「“語り”と“父”のバランスは難しかった」

最終週だけの特別な「なつよ」

ーーいろんなパターンの「なつよ」がありましたが、特に内村さんが印象に残っているものは?

内村:千遥が柴田家を訪れたことを知り、なつが駆けつけるもののすでに去ってしまっていた回ですね。千遥が着ていた服をなつが抱きしめる。そのときに「なつよ、千遥を抱きしめてやれ」と語りが入る。このシーンは録りながら本当に泣きそうになりました。なつと千遥の父親としての思いもあり、視聴者目線の「千遥は会ってもよかったじゃん!」という思いもあり(笑)、いろんな感情が混じり合ってグッとくるものがありました。

ーー先々の台本はあえて読まないようにしていたんですか。

内村:最終週まで早めに台本はいただいていたのですが、あまり先の展開を知らない方がいいのかなと。なので、基本的には収録する週の台本までしか読まないように気をつけていました。だから、なつと坂場が結婚することになったときはびっくりしました。『LIFE!』(NHK総合)の現場で、中川大志を楽屋に引っ張り込んで、「ちょっとおいしいじゃねえかよ」と(笑)。

ーー脚本の大森寿美男さんが、「『なつよ、来週に続けよ』を最初に入れたことによって、どう繋げるか最後まで苦労した」と語っていたのですが、内村さんもその難しさは感じていましたか。

内村:半年間、これを決まり文句にするのは大変だなと最初に思いました。私も手を変え品を変え、いろいろな言い方でやりましたが最後まで難しかったです。父親の立場のようでもあり、俯瞰的な立場も入っていたり、何とも言えないバランスで。でも、最後の最後はいい感じにできたと思っています!

ーーそれは最終週のものですか。

内村:はい。「あ、なるほど!」って思いました。「続けよ」を続けてよかったなと(笑)。楽しみにしていてください!

(取材・文=石井達也)

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』写真提供=NHK
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人、戸次重幸、吉沢亮、大原櫻子、犬飼貴丈、増田光桜、中川望、古川凛、小林綾子、草刈正雄 ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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