ホアキン・フェニックスを起用できなければ映画化断念!? 『ジョーカー』キャスティング秘話
10月4日に日米同日公開となる『ジョーカー』。このたび、監督を務めた トッド・フィリップスのキャスティングに関するコメントが公開された。
本作は、孤独だが心優しかった男が“悪のカリスマ”に変貌していく姿を描いたサスペンス・エンターテインメント。白い顔のピエロメイクに緑の髪、邪悪な笑いと優れた頭脳、インパクト大のルックスと劇場型の犯罪で人々の心をむしばんでいくジョーカーを、3度のアカデミー賞ノミネートを誇るホアキン・フェニックスが演じている。
スコット・シルバーとともに脚本も兼任したフィリップス監督は、「僕らは、ホアキン(・ フェニックス)をイメージして書いたんだ。脚本を捨てようとは思わないけど(笑)、第二候補はいなかった」とフェニックス起用へのこだわりを語っており、さらにフェニックスでなければならなかった理由を明かした。
ジョーカーは、予測不能の凶行で人々を戦慄させ、世界のすべてを狂わそうとするが、実は“超人的なパワーを持たない”ため、不死身なわけでも、瞬間移動などができるわけでもない“人間”だ。フィリップス監督は、「ホアキンの出演作はどれも印象深いが、彼の真価は“個性”と“意外性”だ。だからアーサー役にうってつけだった。ホアキンは一、二を争う演技派だし、守りに入ろうとしない。ホアキンの演技は大胆かつ繊細だ。ホアキンが参加してくれたら、特別な作品になると思った」と“悪のカリスマ”ジョーカーに変貌していく心優しい男アーサーとリンクする個性と意外性を併せ持つフェニックスを熱望したと明かす。
そんなフィリップス監督の読み通り、フェニックスは「アーサーの心情が分かったと思う 瞬間もあれば、彼の判断にうんざりすることもあったよ」と完全にアーサーになりきったことを振り返る。フェニックスのハマり役のようだが、実はアーサーになるまでには葛藤があったという。「脚本を送ったらすぐに“やります”と返事がきたわけではないんだ。何度も細かい話し合いをして、お互いのことを理解してようやく決まったんだ。自分にこの役が務ま るだろうかという恐れがあったようだ。でもその挑戦こそ、彼がやりたいと思った理由だった」とフィリップス監督がフェニックスにオファーを出してから、決定するまでの長い道のりと経緯を明かす。
その話し合いの作業は、フェニックスがオファーを受けてからも続いたといい、「ホアキンと一緒に本当に多くの時間をかけて考えた。撮影が始まる前、6カ月ほど前だと思いますが、キャラクターについて、脚本について、彼の笑い方や声について、服装や髪型について、一緒に相談したよ。もちろんほかの作品でも同様だけど、この映画ではより深く掘り下げたんだ」と理解不能な行動を起こすジョーカーとジョーカーになってしまうアーサーを2人で理解しようと模索し続けたという。
「はじめの頃はホアキンの家に行って話していたんだけど、撮影が始まった後もそうした話が止まることはなく、撮影最終日まで常に新たな発見があった(笑)」とアーサー、そしてジョーカーという人物は、時間をかけても探求しきれないほど魅力的なキャラクターだと明かした。
■公開情報
『ジョーカー』
10月4日(金)全国ロードショー
監督・製作・共同脚本:トッド・フィリップス
共同脚本:スコット・シルバー
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
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