『なつぞら』かつての仲間たちが続々とマコプロへ合流 なつは優のために頑張り続ける

 そんな葛藤を抱えるなつに、さらに追い討ちが。古くからの盟友、桃代(伊原六花)が東洋動画を退職するというのだ。なつが最初に入った仕上げ課で彩色をともに手がけていた桃代だが、そんな仕上げのもう一つの業務であるトレースが機械の導入によってなくなってしまう。自分は東洋動画にはもう用済みな存在なのだと。

 そんな桃代を救ったのが、麻子さん(貫地谷しほり)だ。色指定という動画の色を指定するポジションで桃代をマコプロダクションに誘う。坂場に下山さん(川島明)と、かつての東洋動画の仲間たちが続々とマコプロダクションに合流しつつある。

 そんな悩むなつにアニメーターとしての師匠である仲(井浦新)が声をかける。アニメーターから今や中間管理職の立場になった仲さんは、アニメーターと会社の立場の両方の視点を備えたなつのメンターだ。

 子どもと一緒にいたいだけでなく作品に乗れないと明かすなつに、「僕が君に言えることは何もないな。アニメーターとしてどこを目指すのか、それはもう誰も教えてはくれないだろう」と助言を送る。会社に求められる仕事をすることももちろん大事だが、アニメーターは作り手として常に自分が情熱を燃やせる環境にいた方がいいという視点を持ち合わせている仲さんだからこそ伝えられる言葉だ。

 珍しく会社を早く上がることができたなつは保育園に優のお迎えへ。「今日は来てくれてありがとう」と、母が子どもを迎えにいくという当たり前のことにも感謝させてしまう。なつの心中は複雑だ。この悩みを抱え続けたまま、なつは進んでいくのだろう。

(文=安田周平)

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人、岡田将生、小林隆、音尾琢真、北乃きい、清原翔、川島明、渡辺麻友、田村健太郎、貫地谷しほり、山口智子、草刈正雄 ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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