タロン・エジャトンが語る、『ロケットマン』エルトン・ジョンの役作り 「エネルギーを意識した」
グラミー賞を5度受賞するなど、エルトン・ジョンの半生を映画化した『ロケットマン』が現在公開中だ。『ボヘミアン・ラプソディ』の最終監督を務めたデクスター・フレッチャーがメガホンを取った本作では、誰からも愛されなかった少年が、いかにして世界中で愛される名曲を生み出しのかが描かれる。
今回リアルサウンド映画部では、見事にエルトン・ジョンを演じ切った主演のタロン・エジャトンにインタビュー。エルトン・ジョンの役作りなどを中心に話を聞いた。
「こんな映画は今まで観たことがなかった」
ーーすでに公開されたアメリカやイギリスでは批評・興行ともに高評価でしたね。そんな結果を受けてどのような心境ですか?
タロン・エジャトン(以下、エジャトン):すごくホッとしているよ。ずっと「これは良い作品だ」と信じて撮っていたし、作っている間もすごく手応えはあったんだけど、結局は観客の方々がどう受け止めるかで、自分たちが予測できるものではない。だから、自分自身、役者として、あれだけカリスマ的な存在を演じられたということもそうだけど、本当にすごく良い形で、多くの人にあたたかく受け止められたのは嬉しいことだよ。一番嬉しいのは、作った作品が“薄められなかった”こと。途中で妥協しなくてはいけなくなったり、伝え方が少し柔らかくなったりせずに、そのままのかたちで受け止められたのが本当によかった。
ーーオープニングもそうですが、内容的にもエルトン・ジョンのダークな部分が盛り込まれるなど、なかなかチャレンジングな作品だと思いました。
エジャトン:そうだね。脚本は本当に素晴らしいと思ったよ。リハビリ施設から自分の話を語るっていう手法にも驚いたし、あれだけ有名な人がああいう場で自分の弱さなど全てをさらけ出すっていうのも驚きだよね。そんな映画は今まで観たことがなかった。一方で、笑える部分もあって、ファンタジーの要素もある、すごく新鮮で面白い作品だと僕自身も感じているよ。
ーーエルトン・ジョンの再現度が素晴らしかったです。衣装やメイクもかなり作り込まれていましたが、あなた自身は役作りにおいてどのようなことを意識したのでしょう?
エジャトン:とにかくエルトンのパフォーマンス動画やインタビュー映像をたくさん見たよ。ただ、まるっきり同じように真似をするわけではないんだ。彼の放つエネルギーや感情を掴むことを意識したよ。彼の日記や伝記などの資料もたくさん読んで、自分なりに吸収するという作業したんだ。
ーー映画の中では、いったい何パターン出てきたかわからないぐらい、たくさんの衣装を着ていましたね。
エジャトン:しかも、ぶっ飛んだ衣装をね(笑)。自分だったら普段は絶対着ないような服をあんなにたくさん着れたのは楽しかったよ。
ーー恥ずかしさはありませんでしたか?
エジャトン:それはなかったかな(笑)。演じているわけで、素の自分が着るわけではないからね。例えばホットパンツにしても、自分だったら普段は絶対履かないけど、エルトン・ジョンいう存在として履いていたから、特に恥ずかしさは感じなかったよ。