ロレンソ・フェロが語る、初主演作『永遠に僕のもの』で得た経験 「いろんな役をやってみたい」
ペドロ・アルモドバルがプロデュースを務めた映画『永遠に僕のもの』が公開中だ。2018年にアルゼンチンでメガヒットを記録した本作は、僅か数年で12名以上の殺人を犯した実在の人物、カルロス・エディアルド・ロブレド・プッチをモデルにした少年カルリートスの、美しくも儚い青春を描き出したクライム青春ムービー。
今回リアルサウンド映画部では本作が銀幕デビューにして主演を務めたアルゼンチンの新星、ロレンソ・フェロにインタビュー。初来日の感想や、憧れの俳優、今後演じてみたいキャラクターまで話を聞いた。(編集部)
改めて「自由」や「現実」といったことに考えさせられた
ーー初めての日本はどうですか?
ロレンソ・フェロ(以下、フェロ):仕事がいっぱいあって忙しいけど楽しいよ。明日から10日間くらい休暇になるので京都に行こうと思ってる。
ーーあなたの母国であり、本作の舞台でもあるアルゼンチンはどんな国ですか?
フェロ:すごく美しい国だね。氷河、ビーチや山もある広い国で、いろんな風景を楽しめるのがアルゼンチンのいいところだと思う。才能を持った人がたくさんいるし、優しくて、世話焼きの人ばかりだよ(笑)。一方で、時には乱暴に怒鳴る人や、ものすごいスピードで車を走らせてクラクションを鳴らす人もいる。悪いところとしては、汚職をやっている政治家がいること。それは世界中どこでもそうかもしれないけれど(笑)。
ーー本作がデビュー作となりますが、出演の経緯は?
フェロ:監督がオーディションで気に入ってくれたんだ。そして今こうしてポスターに映ってる(笑)。当時はすごいプレッシャーを感じていたよ。
ーー本作のモチーフとなるカルロス・エディアルド・ロブレド・プッチはもともと知っていたんですか?
フェロ:僕は知らなかったけれど、アルゼンチンではすごく有名で、自分の世代よりもう少し上の年齢の人たちはみんな知っている。僕たちの世代の子は、この映画で実在の人物として取り上げられたことで、初めて知るということもあったみたいだね。
ーー自身が役に入り込んでしまうことはありましたか?
フェロ:幸い、この映画のトーンがそこまで暗くないこともあって、そういうことはなかった。ただ、この役を演じた時僕は学校を出たばかりだったんだけど、そんな時にカルリートスを演じたことで、改めて「自由」や「現実」といったことに考えさせられた。