唐沢寿明と真木よう子の“安心感”  『ボイス』スリリングな展開との絶妙なバランスが魅力に

 母親の発言から徐々に垣間見えてくるのは、彼女も過去に養子として家に連れてこられ、養父から虐待を受けていたということだった。映像を見る限り歩を刺したのは故意ではなく、誰かの言いなりで外に連れ出そうとしていたことも明らかになるなか、母親が歩を救いたいと決意したのも束の間、ある男によって歩が連れ去られてしまう。誰が連れ去ったのか。当初は歩のパパかと思われたものの、足音に違和感を抱いたひかりは母親の養父が真犯人だと突き詰め、樋口とともにトリッキーな作戦に打って出る。

 冒頭に登場していたマンションの管理人が真犯人だったという驚きの展開だったが、巧みに男を罠にはめ、白状させる樋口。通報から30分。ECU発足以来一番のスムーズな運びで、被害者の救出と被疑者の逮捕に成功した。その喜びもひとしお、独自の情報口から前回の事件で犯人を殺した男を特定した樋口は、その男の部下に会いにいく途中で集団に襲われ、袋叩きにあってしまう。要するに、誰かにはめられていたのだ。沖原や港東署の署長(小市慢太郎)が裏で不穏な動きを見せるなか、3年前の事件の真犯人にどう迫っていくのか。1話も見逃せない展開だ。

■原航平
ライター/編集者。1995年生まれ。映画、ドラマ、演劇など、とにかく物語と役者に興味津々。大学時代の卒業論文の題材は「疑似家族を描く日本映画について」。Twitterブログ

■放送情報
『ボイス 110緊急指令室』
日本テレビ系にて、7月13日(土)スタート 毎週土曜22:00〜放送
出演:唐沢寿明、真木よう子、増田貴久、木村祐一
原作:“Based on the series “Voice”, produced and distributed by Studio Dragon Corporation and CJ ENM Co., Ltd”
脚本:浜田秀哉
音楽:ゲイリー芦屋
演出:大谷太郎、久保田充
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、後藤庸介(日テレアックスオン)
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/voice/

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