『なつぞら』最終回と錯覚するほどの幸せの連続 泰樹がなつに初めて見せた涙

「わしもお前に育ててもろた。たくさん……たくさん夢をもろた。ありがとう……。おめでとう、なつ」

 泰樹の開拓者精神は、なつのアニメーターとしての生き方に受け継がれている。東京を耕していくなつを、泰樹は自身の生き写しのように誇らしく思っていたはずだ。上京したての頃、泰樹にもらった懐中時計を握りしめ入社試験を受けていたなつにとっても、泰樹は今も目標とするかけがえのない人。結婚という人生の新たな門出に、今まで人知れずむせび泣いていた泰樹がなつの前で初めて涙を見せることは、なつという奇跡によって変わった泰樹を感じさせる。

 公式ホームページの登場人物相関図も、第19週を機に一新された。真の最終回に向けて動き出す第20週「なつよ、笑って母になれ」では、なつと坂場の新婚生活がスタート。十勝になつの式を見届けにきていた咲太郎(岡田将生)が、光子(比嘉愛未)にプロポーズをするという展開も。その陰には亜矢美(山口智子)の存在が。第20週からは、なつが母として新たな人生の岐路に立つ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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