深田恭子との6歳差親子も違和感なし! 小沢真珠、『ルパンの娘』母親役で真骨頂を発揮
また、小沢は今まで培ってきた悪女役イメージの貯金があるだけに、悪人から物を盗む泥棒役は、今までの敵キャラが味方になるような少年ジャンプ的展開のようで、実に頼もしく、『牡丹と薔薇』を知っている人には、どこか嬉しい気持ちにさえさせる。そして何より、コント的な展開を演じる小沢が「演じるのは楽しい役ですよ。ストレス発散になりますから(笑)」とドラマの公式インタビューで語るように、実にイキイキと楽しそうな演技が印象的。娘に「やれやれ」と思わせるのも、小沢の役者としての使い方を熟知した演出だと感じる。
『ルパンの娘』の今後の見どころと言えば、母娘にとって最大の敵とも言える、マルシア演じる和馬の母親・美佐子の存在。公式インタビューで小沢は「今までも女性同士のバトルシーンはたくさん演じて来ました。でも、今回は良い意味で新しいバトルシーンに挑戦している感じです」と語っている。最初から泥棒だと見透かしているかのように、美佐子がクールに悦子を挑発するバチバチ感は、素のようなマルシアの怖さが全面に出ていて、小沢が今まで経験してきた相手とは次元が違う静かな怖さがある。ただ、そんな美佐子の挑発に対し、悦子も余裕を見せる、冷戦状態でのマウントの取り合いが実にスリリングで、女優としての腕の見せ所に。また、華にとっては、かつての昼ドラの温泉旅館ものを彷彿とさせる嫁姑バトルとも言えるので、深田・小沢連合軍がマルシアをどう懐柔していくのか、物語の展開に要注目である。
遠藤憲一や松重豊など、かつては悪役を得意としていた名バイプレイヤーたちが、その揺り返しと実力で今ではすっかりいい人キャラになったように、『ルパンの娘』の母親役がハマリ役になったことで、小沢もみんなから愛される大人の女優になりそうな予感がする。
(文=本 手)
■放送情報
木曜劇場 『ルパンの娘』
フジテレビ系にて、7月11日(木)スタート 毎週木曜22:00~22:54放送
出演:深田恭子、瀬戸康史、小沢真珠、栗原類、どんぐり、藤岡弘、(特別出演)、
加藤諒、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、麿赤兒、渡部篤郎
原作:『ルパンの娘』 横関大(講談社文庫刊)
脚本:徳永友一
プロデュース:稲葉直人
監督:武内英樹
制作・著作:フジテレビ 第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/Lupin-no-musume/