『ラジエーションハウス』“唯織ロス”から立ち上がる 『監察医 朝顔』から中尾明慶の登場も

 スペシャルドラマには次の月9ドラマ『監察医 朝顔』に出演する中尾明慶がクロスオーバー出演。甘春総合病院を訪れる高橋(中尾明慶)を演じた。中尾は『監察医 朝顔』でも同じ高橋涼介という放射線技師を演じる。技師×技師のスペシャルコラボとなった。さらに本作では新たなライバルとして中島歩演じる黒川が現れる。辻村(鈴木伸之)とはまた違った雰囲気をまとう黒川だが、唯織が技師でありながら適切な処置をすることに焦りを見せる。唯織は実力の高さと同時に、周りに火をつける情熱も持っているのだと感じさせるシーンとなった。

 唯織がいなくなり寂しさを見せる甘春総合病院であったが、唯織がいた頃と空気は変わらず、患者一人一人と真っ直ぐ向き合っている。ラジエーションハウスは一丸となり、技師と医師は良い関係を築いていた。本作のラストでは、飛行機の中の唯織と、唯織のいない甘春総合病院がリンクする。クライマックスでは杏と唯織のセリフが重なり、唯織が今も甘春総合病院のラジエーションハウスチームの一員であることを強く感じさせるシーンがあった。小野寺(遠藤憲一)や大森院長(和久井映見)が唯織の従業員証と制服を今も大切に持っていることなどからも、唯織は甘春総合病院にとってかけがえのない仲間であることがわかる。

 スペシャルドラマ版のラストにはエンディング曲と共にダンスを踊るラジエーションハウスメンバーのオフショット映像が披露される。音楽に合わせて踊る唯織や杏は、役の雰囲気をまといつつもいつもよりハジけた印象を見せる。スペシャル版のエンディングにふさわしい、ファンにとってはたまらないサプライズとなった。実は軒下役の浜野謙太のTikTokアカウントに飛ぶと、他にもラジエーションハウス出演者による音楽動画を楽しむことができる。カメラが回っていない時間も、チームとして仲睦まじい様子を見せている様子が伺え、最後まで暖かい空気に包まれた作品だった。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『ラジエーションハウス特別編~旅立ち~』
出演:窪田正孝、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人、山口紗弥加、遠藤憲一、鈴木伸之、浅野和之、和久井映見ほか
原作:『ラジエーションハウス』(原作:横幕智裕、漫画:モリタイシ、GJ/集英社)
脚本:大北はるか
プロデュース:中野利幸
演出:鈴木雅之
制作著作:フジテレビジョン
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/radiationhouse/

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