目に見えるものが真実とは限らないーー『コンフィデンスマンJP』真のターゲットは誰だ?

『コンフィデンスマンJP』ターゲットは誰?

 さらに、大手ホテルチェーンの女社長として第2話に登場した吉瀬美智子、第3話で高名な美術評論家役に扮した石黒賢、第7話でベテラン詐欺師であるリチャードに「手を組みたい」と願い出た新米詐欺師の佐津川愛美、ダー子らと敵対する詐欺師コンビとして岡田義徳と桜井ユキが登場。そんな彼らを騙すためのダー子の助っ人に、前田敦子もゲストとして姿を見せていた。そして、第9話でスポーツ嫌いなIT社長役を演じた小池徹平、第10話でダー子たちを追い詰める男に佐藤隆太が扮していた。彼らはみな、今回の劇場版でも姿を見せるのだが、その趣向を凝らした登場の仕方にも注目である。思い出すだけで、あちこちの劇場から笑いが漏れているところが目に浮かぶ。ドラマに登場したキャラクターたちが、劇場版でも活き活きと同じ世界感を生きていることには感動すら覚えてしまうのだ。新たな観客にも開かれた作品だと先に述べたが、やはりドラマ版を網羅しておいた方が、二倍三倍と楽しめることは否定できない。だが、これ以上は何も言うまい。

 本作の副題に「ロマンス編」と冠されているとあって、恋愛詐欺師・ジェシーとダー子の関係も、大きな柱となっている。昨年から映画・舞台での活動がまた活発なものとなってきた三浦がこの役どころを担うわけだが、彼の新たなポテンシャルの開花を目撃できること請け合いである。

 映画とは視覚情報を主とするものだが、本作でつねづね語られる「目に見えるものが真実とは限らない」とは、それを根底から覆そうとしているかのようだ。突拍子もないストーリーテリングと、それにともなう豪奢な映像の連鎖が観客の喜怒哀楽の感情を引き出しながら、それを平気で裏切ってくるのが、本作『コンフィデンスマンJP』なのだ。張り巡らされた“ウソ”と“罠”、そして製作陣の“遊び心”にいくつ気がつくことができるのか。それが本作の醍醐味である。正直、観客に謎解きなどさせてはくれないだろうし、期待しない方がいいだろう。ただ黙って(ときに笑い、ときに涙しながら)、騙されることを楽しめば良いのだ。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter

■公開情報
『コンフィデンスマンJP』
5月17日(金)全国公開
監督:田中亮
脚本:古沢良太
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、織田梨沙、瀧川英次、Michael Keida 、前田敦子、佐津川愛美、岡田義徳、桜井ユキ、生瀬勝久、山口紗弥加、小池徹平、佐藤隆太、吉瀬美智子、石黒賢、竹内結子、三浦春馬、江口洋介
音楽:fox capture plan
主題歌:Official髭男dism「Pretender」
配給:東宝
製作:フジテレビ・東宝・FNS27社 
(c)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会
公式サイト:http://confidenceman-movie.com
公式Twitter:https://twitter.com/confidencemanJP



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