山田裕貴&吉沢亮、『なつぞら』を経てさらなる飛躍へ 広瀬すずを支える“幼馴染”を好演

 そして、なつの演劇を山田天陽(吉沢亮)も舞台美術で手伝うことになる。2人が初めて出会ったのは、教室で天陽がノートに躍動感溢れる馬の絵を描いているのを、なつが見つけた際だ。普段は冷静沈着であるが、時に自身の信念を情熱的に露わにする性格は、演劇「白蛇伝説」の物語、演技からインスピレーションされた巨大な絵画、演劇練習に「魂なんてどこに見えるんですか? 魂なんて作れませんよ」と倉田相手に指摘するその姿勢に表れている。

 「お前はなにもやろうとしていない。下手以下だ」と倉田から指導されたなつに、何も言葉をかけられない雪次郎に対し、天陽は倉田を感心させてしまうだけでなく、「イライラしちゃって。なっちゃんの芝居に」と何でも言い合える仲だからこそ、放つことができる言葉も存在している。山田家の牛が鼓腸症にかかってしまい、泰樹を呼びに来る必死な表情からは、進学せずに兄の分まで家の酪農を受け持つという覚悟が伝わってくる。

 演じる吉沢亮は、山田と同じくオーディションを経て、『なつぞら』出演が決定。映画『リバーズ・エッジ』『ママレード・ボーイ』『銀魂』シリーズ、『キングダム』と、俳優としてスターダムを駆け上がっている吉沢にとって、このタイミングでの朝ドラ出演は、2019年のさらなる飛躍を確信させる。

 第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」では、早くも「東京・新宿編」へ。ベーカリー兼カフェ「新宿 川村屋」、クラブ「メランコリー」など、舞台は一変していく中、ついになつの兄・咲太郎(岡田将生)が登場する。瞳を潤わせ「お兄ちゃん!」と叫ぶ、なつの思いは届くのか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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