中尾明慶と毎熊克哉、花嫁はどちらの手に? 『まんぷく』が描く不器用な恋心

 萬平(長谷川博己)と福子(安藤サクラ)が日々研究を続けた甲斐あって「まんぷくラーメン」が完成。『まんぷく』(NHK総合)では、福子と萬平が「まんぷくラーメン」の販売に夢中になっている傍で、吉乃(深川麻衣)を巡って岡(中尾明慶)と森本(毎熊克哉)が恋のバトルを繰り広げている。

 岡と森本は元塩軍団のメンバーで、神部(瀬戸康史)らと共に萬平の塩づくりやダネイホンづくりを支えてきた。そんな2人が恋に落ちた吉乃は、タカ(岸井ゆきの)の妹。福子の母・鈴(松坂慶子)からすれば、神部に奪われてしまったタカに続き、2人の大事な孫を塩軍団の若者に射止められてしまうのは気が気でないだろう。

 岡は、真面目な性格ではあるのだが、自尊心が高くケンカっぱやい。塩軍団を結成した当初も街中でケンカして警察に逮捕されたり、「塩づくり組」と「ダネイホンづくり組」で起きた大げんかのきっかけとなったり、何かと短気な男だ。しかし、吉乃といるときの岡からは、普段とは違う一面が現れている。吉乃に初めて出会った瞬間、岡は仏頂面で、はたから見ればかなり強面の表情をしていた。だが、極端に言葉数が少なくなることから一目惚れしたのだと、すぐにわかってしまう。岡は、神部や森本に対して少々乱暴な口をきくが、吉乃に話しかけるときは言葉を選んで話している印象を受ける。肝心なところで口下手な岡は、とにかく恋に不器用で、吉乃の気持ちを尊重しようとする姿が微笑ましく映る。

 ここにきて新しい岡の感情を、中尾は顔つきで巧みに表現している。しかし、吉乃に対して見せるその表情は、神部や森本に対して見せる眉間にシワを寄せた不機嫌そうな表情ではない。吉乃への想いが募っているからこそ、どう行動すべきか分からない自分に不安や焦りを感じている、そんな様子なのだ。吉乃に対してすら、あまり笑顔を見せない岡だが、中尾はそんな岡の吉乃に対するぎこちなさを表現することで“恋する岡”の姿を視聴者に伝えている。

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