杉野遥亮、煙草をふかすワル役でイメージを一新 『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』偽物と本物

 さらに今回は“言葉”の才能がある小説家志望の役となり、普段の杉野と通じる部分もあった。実は杉野のTwitterは「文章が面白い」と評判が高い。更新頻度もマメであり、長めの文章でオチのあるツイートをしたり、ウィットに富んだ近況報告でファンを楽しませている。そういった”言葉”の才能を活かせる杉野だけに、若月の持つ小説への飽くなき野心と、天才の持つ品性溢れるオーラを纏えたのだろう。若月の役は、ギャップが大きくキャラクターを掴むのに苦労する役だと感じる。元ホストというやんちゃな肩書きに負けない、天才作家の気品を備えなければならないが、品行方正すぎて「騙していた」という事実が霞んでもいけない。杉野は、そのどちらの顔も上手くバランスをとって演じきったのだ。声を荒げたりせず、静かに怒りを秘める若月の佇まいは作家の気質を感じさせる好演だっただろう。

 第6話に差し掛かり、危機管理チームにもキャラクターの個性がはっきりと出てきた。いじられ役の藤枝(中川大志)や、頼りになる真野(斉藤由貴)、お金にうるさい鈴木(バカリズム)などわかりやすいイメージがつく。そして今までは混同されがちであった氷見と与田(水川あさみ)も、それぞれにしかない特徴が見え始めた。次週では氷見と関係があるであろう吾妻(山本耕史)の動向にも進展が予想される。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』
フジテレビ系にて毎週(木)22時〜放送
出演:竹内結子、水川あさみ、中川大志、泉里香、バカリズム、斉藤由貴ほか
脚本:倉光泰子、三浦駿斗
主題歌:YUKI
オープニングテーマ:milet
音楽:SOIL&"PIMP"SESSIONS
編成企画:加藤達也
演出:関和亮、横尾初喜、山岸聖太、戸塚寛人
制作協力:ソケット
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/QUEEN/

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