深川麻衣、『まんぷく』に“あっさり”と登場 実力派俳優陣の中に溶け込むフレキシブルな存在感

 回を重ねるごとに賑やかさを増しているNHKの連続テレビ小説『まんぷく』で、あまりにも“あっさり”と登場を果たした深川麻衣。今か今かと彼女の登場を待ちわびていた私たちの中には、思わず肩透かしを食らった方もいるのではないだろうか。かといって、取るに足らぬ役どころなどというのではもちろんない。彼女のその存在、立ち居振る舞いが、あまりに自然なのである。

 深川の朝ドラへの出演は、この『まんぷく』が初めて。2016年に古巣であった乃木坂46から飛び立ち、以来、女優として着実に歩を進めつつある。そんな彼女なだけに、本作への登場のタイミングを誰もが心待ちにしていたことと思うが、初登場シーンでも派手に扱われることはなく、気がつけばあっさりと物語に溶け込んでいるのだ。

 深川が演じているのは、本作ヒロイン・福子(安藤サクラ)の姉夫婦である、克子(松下奈緒)と忠彦(要潤)の4人の子どもたちの次女・香田吉乃だ。積極的で溌剌とした性格の姉・タカ(岸井ゆきの)とは異なり、吉乃はおっとりとしたマイペース派。たおやかなその佇まいは、賑やかな『まんぷく』に“しっとり”と馴染んでいる。

 彼女がどんなはたらきを見せるのか期待していた者として、どこか物足りなさを感じてしまうことは否めないが、深川は本作に対して後からの合流組である。物語も後半戦に突入し、福子を演じる安藤や長谷川博己、さらには松坂慶子らが積み上げてきた時間と世界観は大きく、深く、強固なものだろう。そこに深川は、淡々と、かつフレキシブルな演技で、見事に溶け込んできたのだ。クラシカルな装いもとても良く似合い、いまやすっかり、『まんぷく』の日常の一員である。また『まんぷく』公式ホームページの吉乃の紹介欄には、「元たちばな塩業のあるメンバーとふとしたきっかけで出会い、複雑な恋模様が…!?」と記されている。待望の“塩軍団”再登場も楽しみだが、そのお相手とは誰なのか。心待ちにしていたいところだ。

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