まだ起承転結の“起”の部分にすぎない? 『3年A組』第3話は様々な憶測が見出せるエピソードに

 景山澪奈(上白石萌歌)の自殺の理由となったとされるフェイク動画の撮影者は誰なのか? その犯人探しを柊(菅田将暉)は刑事の郡司(椎名桔平)に委ねる。もし間違えたら5人の生徒が犠牲になる。今度は教室の外をも巻き込んだ新たな“犯人探し”が幕を開けた、1月20日放送の日本テレビ系列日曜ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』第3話。徐々に物語の真相につながる重要なヒントとなる部分が垣間見えるようになり、まだまだ伏線や謎が張りめぐらされている中でも、ようやく様々な憶測が見出せるエピソードとなった。

 まず、序盤からひとつの大きな疑問が横たわる。それは3年A組の教室と美術室、そしてトイレを除いて、第1話での爆破によって閉ざされてしまっているにもかかわらず、どのようにして柊は昇降口にたどり着くことができたのかという点だ。もちろん柊だけが知っている秘密のルートがあるという可能性も否定できないが、そのプロセスについては描かれない。そして、その冒頭のシーンから明らかになる、事件の舵を取る刑事の五十嵐(大友康平)が共謀者であるという事実。

 さらに今回、SNSを使って内部の情報を郡司らに漏らす生徒も登場する。それが誰かは映し出されないが、その生徒は柊の共犯者であり、ミスリードされた郡司は“課題”の答えを間違える結果に。そして、そのせいで“犠牲”になると名指しされた5人の生徒。美術室の爆破によって命が奪われたように思われた中、ラストシーンで全員が眠っている姿が映し出される。そしてそのうちの1人、里見(鈴木仁)が起き上がると、第1話で死んだはずの中尾(三船海斗)に対面する。

 すでに現実世界のSNSでは様々な憶測が飛び交っているのだが、この第3話まで観た上で考えられる可能性として、まず前提として「柊は澪奈の死の原因となった何人かの生徒と、それぞれの関わり方をすでに特定している」こと。第1話で澪奈との関係について告白したさくら(永野芽郁)、第2話でフェイク動画を投稿した宇佐美(川栄李奈)。そして第3話の里見。まだ他にも何人かいるだろうが、この一連の軟禁状態は、彼らに贖罪の意識を植え付ける目的があるとわかる。

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