『アストラル・アブノーマル鈴木さん』インタビュー

YouTubeドラマから劇場化へーー大野大輔監督が語る、『アスアブ鈴木』松本穂香との挑戦

「リスキーなチャレンジ」


ーーYouTubeドラマから、劇場化への流れはどのような経緯だったのでしょう?

大野:もともと一本の物語として脚本を進めていたので、最終的に映画化できたらいいねという話は撮影がスタートする前から上がっていて。ただ、ネットに上がっていて無料で観れる作品を1本にまとめ直して劇場でお金を払って観てもらうということになるので、よくよく考えてみるとリスキーなチャレンジだなと思いましたね。

ーーYouTubeドラマ版と劇場版にはどんな違いがあるのでしょう。

大野:単にドラマ版を繋げて劇場で流すだけだと味気ないと思ったので、ドラマ版より余白を多くして、観ていただくお客さんに何かしら行間で考えてもらえるような作品にしようと、説明的な描写を省いたり、極端なズームをなくしたりしました。特に音楽が一番大きく変わったと思います。ドラマ版で使ってた劇伴を全部なくして、新しく三輪二郎さんに弾いてもらって、全部はめ込んで作りました。

ーーWEBドラマ、そして劇場版の制作を経験されて、今後はどうしていきたいですか。

大野:自主映画でもYouTubeでかけたいと思ったら、好きに配信できる時代になって、表現できるという意味では選択肢は広がったと感じます。テレビがYouTubeに取って代わられている状況になって、どんどんこの分野で優秀な作り手たちが出てきそうだなと。この作品では、商業作の現場を初めて経験させていただいたことも勉強になったので、映画を観てくださった方々の反響をしっかり受け取って、また今後の作品にも生かしていけたらと思います。

(取材・文=大和田茉椰)

■公開情報
『アストラル・アブノーマル鈴木さん』
2019年1月5日(土)より、新宿シネマカリテ、イオンシネマ板橋ほか全国順次公開
出演:松本穂香、西山繭子、田中偉登、広山詞葉、谷のばら、大沼遼平、木村知貴、芦原健介、中沢健、三坂知絵子、AKI、松井理子、鳥谷宏之、大野大輔、根矢涼香(友情出演)、加藤啓
監督・脚本・編集:大野大輔
制作・配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
(c)2018 AlphaBoat
公式サイト: http://asab-szk.com/

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