藤井流星、年上キラーな芝居で中山美穂を翻弄する 『黄昏流星群』全員が納得した人生の道へ?

 実は、冴と真璃子は根底の部分が似ているキャラクターであり、愛する者を支えたいという気持ちで動くタイプだ。故に、手を結べば、価値観や追い求めるものはわかりあえる2人なのだ。しかし春輝を奪い合うような構図になってしまうことが多く、なかなか安定した関係を結べずにいる。春輝にとっては、母である冴のように頼りになるよきサポーターの真璃子は、女性としても、結婚相手としても申し分ないと感じているのだろう。春輝を演じる藤井流星は一回り以上年上の中山美穂とのラブシーンで、男性としてリードしつつも子犬のような愛らしさで翻弄する。藤井の困ったような表情と、笑うとタレ目になる顔立ちは母性本能をくすぐる。まさに年上キラーな芝居であった。後半まで結ばれることのなかった2人だけに、キスを交わす2人の表情は満ち足りており、見ていて安心できる。これまで真璃子は辛い思いをし続けてきたが、それが少しでも和らげば、という気持ちになった。

 次回はいよいよ最終回。冴の振る舞い次第で春輝と真璃子の関係は大きく変化するだろう。さらに完治は栞と再会できるのか、完治の同期社員の自殺未遂はどうなるのか、と気になる伏線が残されたままだ。来週で全て回収され、泣いても笑っても結末が決まってしまう。これだけの男女が恋仲として登場すると、視聴者も応援するカップルを選んで楽しめるだろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
木曜劇場『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:佐々木蔵之介、中山美穂、藤井流星(ジャニーズWEST)、石川恋、礼二(中川家)、八木亜希子、小野武彦、黒木瞳ほか
原作:弘兼憲史 『黄昏流星群』(小学館『ビッグコミックオリジナル』連載中)
脚本:浅野妙子
プロデュース:高田雄貴
演出:平野眞、林徹、森脇智延
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/tasogare/

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