『SUITS/スーツ』インタビュー

小手伸也が語る、“3度目の月9”にかける意気込み 「革命的な変化を感じています」

「覚悟の年でした」


ーー去年が、勝負の年だったということですね。

小手:覚悟の年でしたね。それが、今年になってこういう形になったので、今まさに勝負をしている最中です。

ーーまだ勝ってはいないと?

小手:全然ですね、勝負真っ只中。でも、この感覚は一生続くのかなと思います。

ーーそうなのですね。“キテる感”が、ある気がしますが……?

小手:僕自身はこれまでの活動をあまり下積みとは思ってなくて、言うなれば下積みの積み重ねの一番上にいるに過ぎないので、急にギャラが上がるわけでもなく(笑)。経済的に困窮しているわけではないですけど、別に浮かれるほど潤っているわけでもないですし、「よ~し、ポルシェ買うぞ」みたいな時代でもないし(笑)。僕自身もそんな性格ではないので、ただただ粛々と。周りの反響というよりも、仕事をいただける状況が続いていることに、革命的な変化を感じています。今までCMのオーディションを受けても「監督さんの評価はいいんだけど、クライアントさんが……」ということが多かったりしたので。

ーー一番、どうしようもないところですよね?(笑)。

小手:そうなんですよ。「ちょっと太りすぎ」とかでクライアントNGになったりして、「あれ? このCMってカロリーオフが売りのはずじゃ……」と思ったり、まぁ致し方ないんですが(笑)。

ーー飲み込もうと(笑)。

小手:そうそう(笑)。それが今、名指しでオファーをいただいたりすると、「クライアントさんから花束が届くんだ」とか「宣伝する商品をたくさんもらえるんだ」とか、状況の変化に戸惑うことの方がむしろ多いです(笑)。

ーー新しいことの連続の日々ですね。『コンフィデンスマンJP』の反響は、やはりすごかったですか?

小手:そうですね。僕自身意外だったのが例の副音声の方で、『コンフィデンスマンJP』のチームは、ざっくばらんが過ぎる人達だったので、僕も本当に自由にやらせていただきました。第1回の冒頭で「テコ入れのために始めました」とか言っちゃったり、視聴率の話をバンバンしたり(笑)。その振り切った姿勢が斬新だったんでしょうね。本編以上に反響をいただきました。

ーー作品自体も、すごく好評でしたよね。

小手:いろんな賞を受賞したり、違うドラマに出ても「いたのか、五十嵐」と言われたり……そんなに五十嵐が浸透するほど、みんな観てくれていたんだという感覚です。でも今、巷で“月9復活”なんて言われていますけど、その流れを生み出したのは我々であるっていう自負はあります。誰も言ってくれないので、自分で言うっていう(笑)。恥ずかしいので「今の月9の流れは、『コンフィデンスマンJP』から始まった」と書いてくれる媒体を大募集中です。

ーー検討させていただきます(笑)。

小手:あはは(笑)。月9が挑戦的な作品を生み出している中での、今回の『SUITS』だと思っているんですけど、その挑戦の延長線上に僕が居続けられていることは、すごく光栄に思います。新しいことをやるし、怖いから「とりあえず小手伸也を矢面に」ということなのかなとも感じますけど(笑)。こんなに何度も使っていただけるのは、嬉しいですね。

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